©2015フジテレビジョン ジェイ・ドリーム 東宝 FNS27社
本作には多くの細やかな見どころがあるが、冒頭、映し出される久利生公平の部屋はその筆頭と言えるだろう。この部屋は昨年放映された連続ドラマ、すなわちシーズン2では登場しなかった。
つまり、久利生のプライベート空間は明るみになるのは、2007年の劇場版第1作以来、実に8年ぶりのこと。40代を迎えた久利生はどんなふうに暮らしているのか。シリーズのファンなら気になるところだが、主演、木村拓哉の狙いは別なところにあった。
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この場面は、木村の発案によるもの。事件の幕開けと共にひとりの女性が交通事故死するところから、映画は始まる。その様は鮮やかだが、同時にかなり陰惨でもある。
木村は、「なんでもない」情景から、本作がスタートさせたかったという。
「なんでもない」人間の、「なんでもない」日常。おそらく、それを大切にしたいということだろう。
久利生は特別な能力を持っているわけではない、あくまでも普通の人間。そして常に、被害者の立場に立って事件に取り組む。これは『HERO』の基本中の基本。その原点を、久利生の寝起きに託しているのだ。
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