待望の映画第2作が公開される『HERO』。なかでも木村拓哉演じる主人公・久利生公平は、型破りながらも筋の通った正義感にあふれた“名言”を、作中に数多く残している。

そこでテレビドラマシリーズ~スペシャル~映画シリーズから、久利生公平の名言をプレイバック。彼の発言をもとに、人々を魅了する『HERO』の世界観を振り返ってみたい。

今回はテレビドラマ・シーズン1のなかから、珠玉の名セリフを18つご紹介。あなたの記憶に残るセリフはある?

1話

「でも、見えないものもあるんだろうなあ。今、こうやって見えてるものよりね、見えないもののほうが多いんだよ。きっと」(第1話)

下着泥棒の捜査途中でヨットハーバーに立ち寄った(恐らくワザと)久利生が雨宮に、城西支部が手掛けていた収賄事件の被疑者である代議士・岬(清水章吾)がアリバイとしてあげていたヨットハーバーでの写真への疑問を遠回しに言った言葉。

どんな事件も一方向から見たら、その見方しかできなくなる危険がある。だからこそ、久利生はどんな案件でも疑問に思ったら自ら現場に“お出掛け”するのだろう。

実際、岬のアリバイが偽装だったことも、下着泥棒で捕まった田村も無実だと判明した。この言葉って事件だけでなく人間関係や仕事でも言えることなのです。

2話

「被害者の味方できるの、検事しかいないでしょ。(中略)死んだ被害者は裁判で証言なんかできないんだから。変わりに声になってやれんの、俺らしかいないじゃん。被害者が一番きついに決まってるんだから」(第2話)

被害者はなぜ殺されてしまったのか? その理由を調べる久利生がもらした信念。彼が検事として持ち続けるこの信念はどんな時も揺るぎのないものだ。

映画やドラマでは弁護士の敵役というイメージで描かれることの多い検事だが、彼の言葉に“目からうろこ”だったのは舞子だけではなく、観ていた人たちも同じだったのでは?

3話

「恋愛なんてワケ分かんなくなっていいんじゃないの。バカになっちゃって。だからいいんでしょ」(第3話)

立件の難しい結婚詐欺事件を扱うことになった久利生。事件を調べていく中、騙された男たちを内心バカな人たちと思っていた雨宮に彼が言った言葉がこれ。恋愛面でオクテな雨宮にも恋の楽しさを知ってほしいという久利生の思いか?

「おいしい思いがしたいんなら、それでいいですけどね。でも、俺的には人の一番弱い無防備なところっていうか、純粋なところ? そこを利用するっていうのはちょっと卑怯かと思いますけど。許せないですね、俺は」(第3話)

平然とした顔で男性を騙してきた自分の行為を正当化する紗江子(森口瑤子)に、久利生は静かながら怒りをぶつける。人の心を利用する犯罪に対する彼の考え方が伝わるひと言。ふたりのやりとりを見ていた舞子は紗江子に「久利生さんのほうが人間っぽかった」と言う。

「所詮法律ですしね。本気でその人を愛してたかどうかなんて分からないですから。だって、心の中なんて、人間なんて分からないじゃないですか」(第3話)

その人の心の内なんて、結局本人以外には分からないもの。良いことをすることもあれば、悪いこともしてしまうこともある。でも、だからこそ人間というものは魅力あるものだと。

少しでもその思いを知りたいと思うから久利生はとことん事件を掘り下げていくのかも。久利生は人間という生きものがとことん好きなのかもしれない。