7月18日(土)に公開される映画『HERO』。今さら説明するまでもないが、この作品は2001年1〜3月期の連ドラに始まり、2006年7月のスペシャル、2007年9月公開の映画、2014年7〜9月期の連ドラシーズン2と続き、今回の劇場版第2弾に至っている。

これだけの人気シリーズに成長したきっかけは、当然のことながら視聴率が全話30%を超えた最初の連ドラにあった。では、そもそもなぜドラマ『HERO』は大ヒットしたのか? その理由を探ってみよう。

平均視聴率が34.3%だった第1シリーズ

ドラマ『HERO』が大ヒットした理由のひとつは、もちろん主演が木村拓哉だったことにある。1996年に『ロングバケーション』で主演して以来、1997年の『ラブジェネレーション』、2000年の『ビューティフルライフ』と、平均視聴率はいずれも29.6%、30.8%、32.3%と高い数字を残していた(ビデオリサーチ社調べ・関東地区)。

ただ、木村拓哉が主演したことだけが『HERO』の大ヒットにつながったわけではないはずだ。実際、上記の3作品の間に放送された1997年の『ギフト』は、その内容の善し悪しは別にして、平均視聴率18.2%だった。

連ドラの初回視聴率というのは、確かに主演の人気や知名度によるところが大きい。でも、2001年の『HERO』は、関東地方で全話30%を超えて、平均視聴率が34.3%にもなった。

つまり、木村拓哉主演作ということで見始めた人も多かっただろうが、見続けたくなるだけの魅力が作品自体にあったということだ。

では、その魅力とはいったいなんだったのだろうか。

フジテレビではお馴染みだったテイスト

『HERO』というドラマの基本的なフォーマットは、石原隆のプロデュース(もしくは企画)と鈴木雅之の演出によって作られていたと言っても間違いではないと思う。1995年の『王様のレストラン』、1997年の『総理と呼ばないで』、1998年の『世界で一番パパが好き』などがふたりによって作られたドラマだ。

2001年の『HERO』のあとも、同年には『スタアの恋』、2005年には『恋におちたら〜僕の成功の秘密〜』、2008年には『鹿男あをによし』などを作っている。ちなみに上記の作品のうち、『王様のレストラン』から『スタアの恋』までは、音楽が服部隆之というのも同じだ。