最近再び大相撲が人気だ。中でも女性向けの雑誌が創刊されたり、相撲好きを公言する女性有名人も増えてきて、「スージョ」(相撲女子)と呼ばれるファンがその人気を支えている。
いったい何が彼女たちを惹きつけ、どこに相撲の魅力を感じているのか――若貴ブームを最後に観戦から離れてしまった筆者が座談会の司会を務め、「スージョ」のみなさんにその楽しみ方をレクチャーしてもらいました。
朝青龍を見たいと思ってから、ドップリハマった
ということで、今回参加してもらったのは「オーラが違う」朝青龍に惹かれ観戦を始めたアキコさんと、家族で行った両国国技館での観戦をきっかけにのめり込んだミユキさんとサツキさん姉妹、そしてやはり最近のブームを受け観戦を始めたというアヤさんの4人。
中でも観戦仲間を持ち、東京だけではなく大阪や九州など地方場所にも足を伸ばすというアキコさんは、ブームに先んじて相撲にハマったきっかけを次のように言う。
「相撲が好きになったのは小学校の頃で、北天佑っていうお相撲さんが小錦をパッと投げたり業師で、色が白くて本当にカッコよかったんです。
北天佑が好きだからお相撲が好きっていう感じだったので引退して燃え尽きちゃったんですけど、それが復活したのは朝青龍から。朝青龍は強くて、もう花道に出てきた時からオーラが違くて、一人でも当日券に並んでチケットを買って、朝青龍を見たいと思ってからドップリハマった感じです」
参加者の中では元は総合格闘技ファンだったというミユキさんも、やはり強さに惹かれて朝青龍好き。
妹のサツキさんは琴奨菊、アヤさんは勢と、それぞれ贔屓の力士がいるようで、気になる力士・好きな力士ができたことから相撲自体にハマることも少なくないようだった。
アキコさんの「北天佑が好きだからお相撲が好きっていう感じだった」という言葉は、なかなか核心を突いているようだ。
継続して観ることで、より相撲の面白さが浸透
なお、相撲を好きになる過程として、次のような興味深い話もあった。
「私は浪人時代があってすごく暇だったので、その時にずっと相撲を観ていたんです。
その時代に琴ノ若っていう力士がいて、シルエットがすごくカッコよくて、背も高くて強くて、単純に惹かれてカッコいいから観ていただけなんですけど、毎日観てると“この力士があの力士と対戦して、先場所は負けたけど今場所は勝った”みたいなことが分かって、そういうのが面白くなってきて」(サツキさん)
「私も真剣に見始めたのはここ2年ぐらいなんですけど、小さい頃お爺ちゃん・お婆ちゃんと住んでいたので、夕方になると必ず相撲を観ていて。一度家庭の事情で仕事を離れていた時期があったんですけど、夕方時間があるので、同じような感じで母親とずーっと相撲を観ていた時がありました」(アヤさん)
他の競技に比べ、決着までの時間が圧倒的に短いのが相撲の特徴の1つだが、
「観続けると面白いんですよね、1日だけ観てもそんなに」とアキコさんが言うように、勝負が短時間であるがゆえ単発より継続して観ることで、より相撲の面白さが浸透してくるのかもしれない。