国立にパン屋がオープンした。十勝産小麦100%のパンを焼く、「十勝ファーマーズベーカリー ムギオト」である。
「十勝産小麦粉はデンプンがモチモチしていて、甘みが強いんです。その特徴を生かしたパンを作るように心がけています」と、製造リーダーの岡田昌樹さんは胸を張る。
同店を経営しているのは、1950年に帯広に創業した「満寿屋商店」である。道内に6店舗、3年前、目黒に東京本店をオープンさせた。そしてこの4月、国立店が産声を上げた。
北海道と東京。場所こそ異なるが、全店舗で十勝産小麦100%のパンを提供している。
国産小麦と外国産をブレンドしているパン屋は枚挙にいとまがない。けれど、十勝産100%を謳う店はかなり珍しい。十勝は日本屈指の小麦の産地。だからこそ年間を通じて十勝産小麦100%のパンを焼けるのだそうだ。
北海道を代表する「キタノカオリ」、「ゆめちから」、「きたほなみ」、「春よ恋」、「はるきらり」、この5品種の小麦を使っているという。
「十勝の農家さんが栽培した小麦を、製粉会社から引いています。品種ごとに届いた小麦粉を、自社でブレンドします」
ひとつの品種だけで作るパンもあるが、食感と甘みを引き出すため、数種類の品種をブレンドしていると岡田さんは説明する。
「たとえば、キタノカオリはモチモチ感が強いので、きたほなみをブレンドすることで適度な食感をもたせています」
パンは全部で約100種類。なかでも「クローバーの塩バターパン」、「とろーりチーズパン」、「コロッケパン」、「あんパン」、「メロンパン」が人気だ。
店内にイートインコーナーはないが、隣りの「PAPERWALL CAFE」で朝7時から9時45分まで、別途飲み物(300円)を注文すれば、ムギオトのパンを食べられる。
選んだパンは、「クローバーの塩バターパン」、「とろーりチーズパン」、「コロッケパン」、「十勝こしあんパン」。パンではないが、あまりにも美味そうだったので「小松菜のキッシュ」も食べてみたくなった。
購入したパンをトレーに載せたまま、PAPERWALL CAFEへ。
PAPERWALL CAFEでドリップコーヒーを注文し、ムギオトのパンをいただくことにした。