『舞台PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice』の魅力

今年4月に観劇させていただいた『舞台PSYCHO-PASS サイコパス Virtue and Vice』(以下VV)でも、その魅力はしっかり表現されていた。

本作は単なる原作エピソードの舞台化という以上に、本編にも絶妙に絡んだストーリーラインによって、スピンオフとしてしっかり構成されていたと思う。

『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』同様、観なくても特に本編鑑賞に支障はないが、観ておけば作品全体が3倍面白い……と感じた(あくまで個人の感想です)。

脚本は『劇場版 PSYCHO-PASS サイコパス』でも虚淵玄氏とともに脚本を務めた深見真氏。主演は鈴木拡樹氏と和田琢磨氏だ。

公安局刑事課三係の面々 ©サイコパス製作委員会 ©舞台「サイコパス」製作委員会

ふたりは公安局刑事課三係を舞台として、監視官として登場した。安定の演技力と作品への理解力によって、安心して観劇できるのがありがたい。

完成度が高すぎるレプリカトイとしてTwitterなどでも話題となったCerevoのドミネーターも舞台中に小道具として登場(全然関係ないが、このCerevoのドミネーター、CVの日髙のり子さんが変形に合わせて複数のパターンのセリフを当てているので、本当に自分がドミネーターを使用している監視官or執行官の気分になってくる。すごい)。

 

プロジェクションマッピングを使ったSF的世界観の再現と、アンサンブルのアクションやアクロバット……。CVとして榊原良子(禾生壌宗役)や花澤香菜(常守朱役)も登場するなど、作品世界への没入を手助けするギミックは盛りだくさんだった。

事件が現場で起きているという切実な迫力を感じられるのは、生の舞台観劇ならではの魅力だろう。今後新しいエピソードが上演されることがあれば、ぜひ劇場に観に行かれることをオススメする。