TOSHI-LOW(撮影 西槇太一)

パンクバンド、BRAHMANやアコースティックバンドOAU(OVERGROUND ACOUSTIC UNDERGROUND)のフロントマン、TOSHI-LOWさんが息子さんへのお弁当を記録した『鬼弁~強面パンクロッカーの弁当奮闘記~』を出版し、大きく話題を呼んでいます。

“鬼”の愛称で知られるTOSHI-LOWさんが作ったお弁当は固定概念に囚われない自由で大胆な発想に溢れる一方、どれも「食べてみたい!」「真似してみたい!」と思わせてくれるものばかり。

お弁当を作りだしたきっかけ、ワンパターンになってしまいがちなお弁当作りを楽しむコツや構え方、パートナーとの分担など、普段なかなか知ることができないTOSHI-LOWさんの一面をお届けします。

最初は残されることが多かったお弁当。でも息子も本当は残すのはイヤだったのかも

『鬼弁』よりステーキ弁当

――息子さんが小学校に入学したときから、ご夫婦で分担してお弁当を作っていたとのことでしたよね。TOSHI-LOWさんから自分で作るよと切り出したのですか?どのようないきさつで作り始めたんでしょうか。

TOSHI-LOW:長男が通うことになる小学校に給食がないってことを知ったのが、入学が決まったあとだったんですよ。「給食ないんだって」って言われて、「えっマジで?」って。だから最初はちょっと罪悪感もあったかもしれないですね。

――ちょっとそれは責任感じちゃいますね…。作り始めたころから良い滑り出しだったんですか? 

TOSHI-LOW:自分の中で弁当ってものの記憶がもうあまりに遠くて、最初は「弁当って何入れたらいいんだっけ…」って思ってました。しかもこんな小さい弁当箱にどうすればいいんだって。

だから最初のうちは大人が好むようなものばっかり入れていたから、全部残されることがしばらく続いてましたよ。

――スランプの時期もあったと書いていましたよね。私も娘が夏休みに学童に通うときのお弁当どうしよう、毎日ミートボールと卵焼きとブロッコリーでいいかな…ってかなり気が重いのですが…。

TOSHI-LOW:自分が飽きちゃうから、何かもうちょっと面白くできるんじゃないかな、とは思いつつも、じゃあ面白いものって何なんだろうってことが、その頃はまだ結びついていなかったんですよね。

量にしても、子どもが食べたいものにしても、食べさせたいものについても、あと一歩気を遣えてなかったなって今思うと分かります。よく考えたら子どもだって残すのはイヤだったろうし。

――確かに、お弁当箱空けたからには完食したいですよね。

TOSHI-LOW:彩りでも味付けでも食材でも自分が一つのめりこめるものがあればいいと思うんですよ、プレゼンみたいなもので。

だから日曜日に1週間分作ることが楽しいって思えたら、毎日同じもの詰めても楽しいだろうし、食べてる方もおいしいって思えるんじゃないかな。

自分が面白くないものは人にとっても面白くないし、作ってて辛いものは、食べてる側も辛いですよね。朝面倒くさい、辛いって思って詰めてるものは、弁当箱にもうつっちゃう気がします。