「走ってはいけない」より「イケメンは歩くよ」と表現する

同じことを伝えようとしても、伝え方によって受け手側の印象が違ってくることはありませんか? 本書では、「微妙で捨てようと思ったけどもし使うならあげる」と言われるよりも、「あなたに似合いそうだからよかったらあげる」と言われた方が嬉しいと書かれています。

このように、大人が子どもになにかをお願いする際に、子どもに対してうまい言葉の使い方をすれば、子どもも変わっていくそうです。

たくさんの「できない」という否定に囲まれていると、徐々に偏った固定観念が形成されて、大人になってから、考える前に「僕はできない」「無理だよ」ととらえ、あきらめクセがついてしまうと杉山さんは説いています。

例えば、「してはいけない」ではなく、「したほうがいい」という風に心がけるようにします。「走ってはいけない」ではなく、「ゆっくり歩く方がお兄さんっぽくてイケメンだよ」と伝えるほうが、子どもには響くのです。

子どもの言葉を待つことが脳神経の発達につながる

本書には、3歳から7歳くらいまでは情報伝達回路が発達しやすいと書かれています。4歳になる男児を育児中の杉山さんは「考えること」とちゃんと「自分の意見を相手に言うこと」を重要視すべきだと語っています。

自分の意見を言うには、自分の頭の中で考えて組み立てるという家庭が必要になります。そのために杉山さんが心掛けているのは、子どもの「言葉や動作をさえぎらない」ことだと言います。例えば、親が「トイレに行きたいの? 」や「このお菓子が欲しいの」と先回りをして言葉を選んでしまうと、子どもの思考能力の発達に影響すると言えます。

親はひたすら子どもの発言を待つことで、脳神経の発達につながります。そして、子どもの発言をオウム返しをしたり、深くうなずきながら聞くことは「傾聴」と呼ばれ、相手に自分の話しがきちんと聞いてもらえるという安心感と肯定感を抱かせる効果があります。

親は先回りをせず、子どもの言葉を待って自由な表現を見守るように心がけましょう。

いかがでしたでしょうか。偏差値29から東大理IIに合格という偉業を成し遂げた杉山さん。彼女が実際の育児に取り入れている「できる子」になる育児法。どれも心がけ次第で、すぐにまねすることができます。

 親はひたすら楽をして、子どもをのびのびさせることが、子ども自身の能力を伸ばすきっかけになると言えそうです。