現状を踏まえた具体的な取り組み
2007年に初開催された「東京マラソン」を大きな機会として、国内にランナーが急増しました。その中心は、仕事や経済面、時間などにゆとりのある40〜50代。体力の低下など健康への不安が、ランニングへの興味を後押ししているようです。
しかしその反面、7割以上が1年以内にランニングを止めてしまう実情も。怪我などのトラブルが主な原因ですが、その背景には知識やトレーニングの不足、あるいは過度なトレーニングがあります。
- 走り方が分からない
- 怪我してしまう
- 走る時間がない
- 走る場所がない
- 指導者がいない
こうした悩みを持つランナーは多いでしょう。例えば静岡マラソンでは、初期からランニングクリニックを実施し、サポートに取り組んできました。これは現状における課題の一部に過ぎません。そんな中、日本陸連は大会間の情報共有と議論を目的に、ロードレースコミッションを創設。具体的に3つの取組みを進めていきます。
1.安心・安全な大会作り
大会運営における基準を設けること。また、例えばスポーツツーリズムをはじめ、走る+αでの楽しみを大会に付加することも検討事項に含まれています。
2.承認制度
いわゆる日本陸連の“お墨付き”となる大会を増やし、そのために「何をクリアする必要があるのか」を提案していきます。
3.正しいランニングの普及
講習会の実施によるランナー育成。また、そのための指導者養成に取り組みます。
これら取り組みは、いずれもランナーの笑顔のため。日本陸連では、今後新たな取り組みを積極的に行っていく姿勢のようです。
また、関心を持ってくれる人を増やす、あるいは子どもの頃からランニングと接点を持つ機会を増やすといったことも検討中。底辺拡大を行い、それを素材発掘・育成にも繋げていきたいという狙いがあります。
さらに指導者については、「誰に教わっても同じ質が得られる」状況が必要とのこと。経験だけに頼った指導ではなく、質重視で全国における指導者養成に取り組んでいく姿勢です。