熱狂と興奮のステージの幕開けは、「青春」ど真ん中の『RUN』。“青春=走る”を公式に、疾走感溢れるサウンドで会場の熱をどんどん高めていく。振り向きざまにジャケットをはだけさせる振りには、それはそれは大きな歓声が上がった。流れるようなフォーメーションも、最後の蝶が羽を広げるようなさまキメポーズまでも美しく、まさに真っ只中にいるメンバーたちの駆け抜ける青春を目の当たりにしているようだ。
1曲めで上げた熱を『ホルモン戦争 -Japanese Ver.-』でさらに高めると、「(きょうの)天気は良くないですけど、ここの雰囲気がいいから大丈夫!」とRAP MONSTER(ラップモンスター)。その言葉通り、まさに沸騰しそうなアツイ雰囲気だ。JIN(ジン)が「春の楽しい思い出をきょう一緒につくりたい」といえば、JIMIN(ジミン)も「ぼくも作りたいです」。次のパートで幻想的な楽曲『Butterfly』を歌えば、「僕たちが一番好きな曲。皆さんは大好きですか? ダイバク(「最高」の意味の造語)ですか?」(V/ブイ)と“いつものように”メンバー同士、A.R.M.Y(防弾少年団のファン)と和気藹々。
でも、適度に力の抜けたMCとは打ってかわってパフォーマンスは完璧。メロウな『いいね!Pt.2~あの場所で~』をパフォーマンスし、腰をウェーブさせる振りでA.R.M.Yを大興奮させると、日本オリジナル楽曲『FOR YOU』を経由し、迎える『フンタン少年団』『DOPE』。アゲアゲの2曲を繰り出し、キレキレのパフォーマンスと、花道を移動しながら会場を煽り、フロアをさらなる熱狂の渦に巻き込んでいく。(『DOPE』での、“3放世代、5放世代、6放世代”のA.R.M.Yのレスポンスもバッチリきまる心地よさったら!)
「ファンのみなさんが僕たちのすべてです」(JIN)というコメントには、思わずVも「なにこのメント! カッコいい!!」。そんなやりとりにほっこりするも、残念ながら次の曲が最後。青春ど真ん中をいったヒット曲『I NEED U (Japanese Ver.)』で会場を魅了する。「人生の中でもっとも美しく輝く瞬間」を意味する“花様年華”のリード曲。美しくて儚い刹那を、目を見張るような刀群舞で表現して魅せた。
防弾少年団の特徴のひとつは、空気を切り裂くようなキレのある力強いパフォーマンスと、地の底を這うような低音を利かせた攻撃的ともいえる重いサウンドにのる強烈なラップだ。彼らだけが成せる徹底したパフォーマンスは、観て(聴いて)いるだけで胸がアツくなり、血が騒ぐ感覚を覚えるものだ。そして、いま、努力に裏づけされた自信もプラスされ、“ネクストレベル”へと歩みを進めている。短い時間ながらも、それが十分に伝わるステージだった。