そして、2度目の「大切なお知らせ」
ーー他に変わったと思うことはありますか?
本人「ショッピングモールに行くことが増えましたね。」
レジー「わかる!うちの近所にもファーストフード店、100円均一ショップ、子供の遊べるゲームセンターまでが揃っているショッピングセンターがあるんですよ。通路も広くてベビーカーも動かしやすいので、子供いなかったらこんなにありがたがってないですね。
若い頃はそういうショッピングモールに対して抵抗があったというか、文化の敵くらいに思っていたのに……(笑)。」
本人「そういう部分でも、物の見方が変わったと思います。あんなに子どもが騒いでも怒られない、包容力のある場所はとても貴重だった。本当にすいませんでした、みたいな。子どもが生まれてから、やってみないとわからないことばかりです。」
レジー「子供連れていると、すごい話しかけられますし。僕だけで子供3人と歩いていると、100%と言っていいくらい年配の方から声をかけられますね(笑)。
本人さんも本の中で『吸引力の強さ』と書いていましたけど、地域のつながりが減ってる中、絶対『あら~~!』(※高い声)って(笑)。」
本人「『大変だけど、可愛いわよねぇ~!』(※高い声)って。ありがたいことです。子どもが生まれる前は、自分以外のことをシャットアウトしているような生き方をしていたところもあるけれど、子どもを通じて、自然と引き寄せられるようになってきた。
そうしないとサバイブできない部分もあるし、それが楽しいですよね。」
ーーこの本の根底にあるのは、そういう「面白がる」ことの大切さですよね。
レジー「育児だけじゃないんだと思うんですけど、『大変じゃないといけない』みたいな風潮ってあるじゃないですか。
だから、育児を面白がるみたいなことに対して、『そんな軽い気持ちで男が育児に関わることが問題』みたいに反発する人たちもいると思うし、実際それに近いことを言われたこともあります。
もちろん子供の命を預かる責任はありますが、それは当たり前としたうえで、気軽に楽しく育児に関わるやり方や考え方がもっと語られてもいいと思うんです。」
本人「本当に出産育児に関しては『大変であること』が何よりの価値みたいな信仰はまだまだ強いですよね。
『無痛分娩なんてとんでもない、痛みを我慢した命こそ尊い』みたいな。……んなわけあるか~!『育児代行やら金を使って楽をするのは愛を注げてない』みたいな。じゃあ言ってるアナタたちが、俺のの『じぃじ』や『ばぁば』になって面倒見てくれるんですか?って。
昔とは状況が違うんだという風潮を作っていかなきゃいかんですよ。
だから、まず自分でできることというか、自分たちの世代の育児の記録を残していかないと。SNSを見ていると、そういう考えでやっている世代も、増えてきているのは希望ですよね。」
レジー「本当にそう思います。」
本人「そして、ここで『大切なお知らせ』なんですけど、今妻がセカンドチルドレンを……。」
レジー「2人目ですか!おめでとうございます!年子ですか?」
本人「に、なるのかな?子どもがひとりの時とは、違う人生が始まっていくのかと。出たとこ勝負でなるようにしかならないですが、レジー先輩にはこれからも学んでいきたいなと思いますね(笑)。」
本人:都内在住の30代男性。家族構成は妻、子、猫。一般企業のWeb担当、ニュースサイト編集記者などを経て、現在は平日にサラリーマンをしつつ、さまざまなライブやフェスに足を運んで記録するインターネットユーザーとしても活動している。2015年にtogetterでまとめられた「ありのままに長渕剛オールナイトライヴ富士山麓ふもとっぱら現場で起こったことを話すぜ!」は190万viewを記録した。Twitter:@biftech
レジー:1981年生まれ。会社員兼音楽ブロガー・ライター。会社勤務と並行して2012年に「レジーのブログ」を開設。作品論のみならず、社会における音楽の位置づけ、音楽ビジネスの変遷、ファンカルチャーのあり方など音楽シーンを俯瞰した分析が話題に。現在の主な寄稿先は「MUSICA」「Real Sound」「M-ON! MUSIC」「Yahoo!ニュース 個人」など。著書に『夏フェス革命 -音楽が変わる、社会が変わる-』(blueprint)、『日本代表とMr.Children』(宇野維正との共著、ソル・メディア)がある。Twitter:@regista13