『例えばモーハウスには“ほんものの授乳服”のための「モーハウスの10か条」というのがあるんですが、それはさておき(笑)
大切なことはふたつだと思っています。
公的な場で授乳ができること、つまり胸やお腹が見えないこと。
そして赤ちゃんのために「すぐ授乳」できること、です。
――こんなに見えないんですね! これなら、周りから胸が見えないどころか「授乳中」だってことすらバレませんね。
『ユーザーさんからもおかげさまで、たくさんの成功体験が届いています。
「親せきそろって出かけましたが、すぐ隣にいた義理の弟に気付かれずに済みました!」とか(笑)』
――デザインも「ザ☆授乳服」といった感じではなく、フツーにおしゃれですね。これなら卒乳した後も着られそう。
『ひびのこづえさんなど、いろいろなデザイナーさんとコラボした授乳服や授乳ブラも作り始めています。
自分が授乳服を作り始めた頃は日本には授乳服そのものがなくて、アメリカから取り寄せたのですが、デザイン的にも「だっさーい」ものしかありませんでした。
どんなに機能的でも、ダサいのはイヤでしょ?』
『表参道にショップを構えていることもあって、おかげさまで授乳中でもなんでもない方が「デザインが気に入ったから」と買い求めてくださることもあります。
また産前産後のデリケートなママや赤ちゃんにやさしい素材を使っているので、その手触り・肌触りの心地よさで選んでくださることもあるようです。
でもね、経営者としてはまだまだだと思っています。
いろんなママがいるわけですから、もっと尖がったラインナップがあってもいいんじゃないかな、とかね(笑)』
――ところで「授乳ケープ」については、どうでしょうか。
『「授乳ケープ」も以前は「授乳服」同様、見た目的に「これ付けるの?」というようなものしかありませんでしたよね。
そういう意味では、最近は進化してきているのかもしれません。
ただ「すぐ授乳」できるかといえば、準備の時間は必要ですよね。
また「授乳してます」ということが明らかなので、却って目立ってしまう。胸を「隠す」という点ではたしかに隠せていると思いますが、それでよしとするかどうか。
子連れママのマナー問題にも絡んでくると思うのですが、それはまた別の機会にお話ししましょうか。』
――私自身「授乳ケープ」も使用していますが、授乳時のことをある程度気にしないでオシャレを楽しめるというメリットもあります。
出産前のお気に入りの服を着て、我が子とあらためて街に出られるというのもうれしかったり。それぞれにメリット、デメリットを考えて、ママと赤ちゃん、また社会にとって最適なセレクトができたらいいですね。