お年寄り vs 乳幼児 !? 自由席での考え方

この質問については特に指定席券を押さえている状態ではないため、ほかの2問とは毛色が異なり、「特に違和感もなく席を譲る」が45.11%と最多になりました。

「しぶしぶ従う」の17.62%とあわせ、約62%は、自由席では席を譲るという結果が出ました。

ちなみに、この問いですが、どのような想像をしたかによって回答がわかれたことと思います。

たとえば、それなりに混んでいる新幹線の車内。
そこに座席を必要としている乗客がやってきて、つらそうに、片っ端から声をかけているとします。

この場合、あなたはさっと子どもをひざに乗せて席を空けるかもしれません。

しかし、真っ先に自分の子どものところにやってきて「ここ空けていただけますか?」ときかれたら……。


筆者は、世の中は性善説であって欲しいと願う派ですが、残念ながら、女が子どもをつれ、公共交通機関で移動をする生活を6年ほどしていると、降り際にベビーカーを蹴られて暴言を吐かれるなど、残念な気持ちを味わうことも少なくありませんでした。

その昔、バラエティ番組のイス取りゲームで、弱そうな人の前に立って「どけ!」といい、席を空けてもらうものがありましたが、それと同じように「あ、弱そうに思われたのかな」と思いながらそっと立ち去る。そんなこともよくありました。

長男の生まれた6年前と比べると、都内では年々子連れへの風当たりが強くなっている気もしています。

最近は、移動の際には夫に子どもを託しているのですが、嫌がらせを受けたことはないそうなので、筆者の“女で背が低い”などのヴィジュアルが、残念ながら他者の奥底にある“何か黒いもの”を呼んでいるのかもしれません。

なお、この質問についてお子さんのいる男性からは「席譲るよ、あたりまえだろ?」との声もきかれましたが、「もしかして(席をかわれというのは)嫌がらせなのでは?」という発想が真っ先に出てきてしまう筆者のような母親が、そしてまだ一部に残っている、女子どもにはどんな暴言を吐いても許されるという考えが、早く日本からなくなることを心から望んでいます。

乳児との新幹線移動、座席のとり方正解は?

では実際のところ、未就学児の親たちは、新幹線をどのように利用しているのでしょうか?

子どもとの新幹線移動に関して、指定席券の購入方法について聞いてみたところ、約半数の方が、「指定席券を子どもの分もとって余裕を持つ」と答えました。

「大人の分だけ指定席券を取る派」も含めると全体の87.5%は指定席券を押さえています。

子連れでの長距離移動は何が起きるかわかりません。
できるだけベースキャンプを作っておきたい気持ちはよくわかります。

筆者も過去数回の失敗の結果、子連れの場合、新幹線代をケチってはだめだな、という結論にいたりました。

「そうだ、○○行こう!」なノリで出かけてしまうことの多かった独身時代でしたが、新幹線移動での失敗を通して、子どもが一緒だということは下準備が必要ということ、そして自分の気持ちひとつではうまくいかないということを、実体験としてはじめて“自分ごと”に落としこめたのでした。

なお、座席を取る際にも、ベビーカーがおきやすい席、多目的室の近くなどを指定して押さえるなど、子連れ移動を経験するたびにノウハウも増えていきますね。

ひと月以上にわたる長いお休み。

遠い場所への移動やいつもと違う景色に触れる体験は、子どもたちにとっても刺激になり、心身の成長につながることでしょう。

どうか、移動時のトラブルで嫌な思いをしませんよう。そして、怪我なく無事に、すてきな夏休みをお過ごしください!

 1996年に立ち上げたインディーズブランドの活動と平行し、2002年からはWEBデザイナー・ディレクターとして都内で勤務。記事の執筆も行っている。子どもは2010年生まれと2015年生まれの男児。料理がまったくできないため、家事育児のほとんどを夫が担っている。