『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』ピアノコンサート©創通・サンライズ・MBS

前半の演奏が終わると、第1期の楽曲や思い出で、横山と声優陣によるトークに花が咲いた。

第2期の放送終了から約2年半、「当時はすごく濃厚な時間だった。今でも鮮明に甦ります」と、放送中を振り返った面面。第1期の1話でガンダム・バルバトスが登場したシーンの話題では、細谷は「音楽が、神がかっていた」、「1話を見るだけで、この作品がどんな作品なのかが分かる」と寺崎。

その1話で流れたメインテーマは、ドイツのオーケストラをブッキングするなどして、制作にかなり冒険したそうだ。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』ピアノコンサート©創通・サンライズ・MBS

バルバトスの登場シーンは、横山自身も鳥肌が立ったと話した。また横山は、時には三日月の顔や声をイメージして楽曲を書くこともあったそうで、声優陣も劇伴制作に興味津々。

また、本編のクーデリアの演説シーンで流れた「My Own Way」については、クーデリアの芯の強さや女性らしさを表現したとのこと。寺崎は、そんな横山の音楽に背中を押されたようで、「よけいにすごく気持ちが入りました」と語った。

また前半の演奏を終えた阪田は、「仲間の繋がり、ぶつかり合い、葛藤のシーンを、演奏しながら走馬灯のように思い浮かべて、うるっときたりしていました」。自身も感情移入しながらの演奏で、そのエモーショナルさが観客を惹きつけていた。

出演者をも魅了し続ける『オルフェンズ』の音楽

後半戦は、まずはSPYAIRが担当したOPテーマ「RAGE OF DUST」からスタート。異国情緒を漂わせながらどこかノスタルジックなムードをかもしだす第2期メインテーマ「Crescent Moon」、情熱的でリズミカルな「Sandy Desert」、重く悲壮感が漂う雰囲気の「Hashmal - The Legend of the Calamity War」、そしてアルペジオが美しく響いた「Make You Believe」など。

最後には、寺崎が「フリージア」を歌い、儚さのある世界観を情感タップリに歌い上げて、会場には大きな拍手が沸いた。

『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』ピアノコンサート©創通・サンライズ・MBS

横山によれば、第1期は鉄華団の勢いややんちゃさ、第2期は破滅に向かって行く様子が、音楽として表現されているとのこと。重くドラマチックな「Defenders of the Wild」も演奏され、この曲を作ったときは「2〜3日のたうち回って作って、本当に辛かった」と、当時を振り返った横山。

各楽器に無理な音域をあえて出させ、ミュージシャン自身が大変そうに演奏する様子をキャプチャーして、音楽に落とし込んだとのこと。それを聞いた河西は、「確かにアインの最後の姿も、すごく無理をしている感じだった」と話し、“なるほど”といった様子だった。

また話は、制作中のスピンオフ作品『鉄血のオルフェンズ ウルズハント』PVで使われている音楽におよぶ。「ヨーロッパとアジアの境目、中東〜バルト三国をイメージ。宝探し感、トレジャーハント感を意識した。

オルフェンズ感を出すために、第1期で使ったデッキブラシの音も残しています」と横山。現在PVに使われているものは実はまだデモ音源であり、今後さらにブラッシュアップ予定とのこと。

一方、声優陣は自分が演じるキャラクターが出てくるかで、トークが白熱。「出てくる可能性はゼロではない」と河西。細谷と梅原の「カメオでも、ワイプでもいいので(笑)」という、スタッフへの熱烈アピールに会場も沸いた。