そしたら担当女医は一瞬キョトンとしてからニコッと笑って
「あの~、完全ミルクでも一応私くらいには仕上がるから安心してっ!」
と言ってくれたんです。

「私の親世代は、むしろミルクがイイって率先して飲ませてたし、今の粉ミルクはどのメーカーさんもスゴイ頑張って母乳に近づけようと作ってくれてるから、お母さん、何も心配しなくて大丈夫ですよ」


―――その時、一瞬にして心が軽くなりました。

ああ、自分が信頼している先生がそう言ってくれてるなら本当に大丈夫なんだな。
っていうか、先生もミルクで育ってたのか。そっかーー。
むしろミルク育児でみんな先生みたいに美人でナイスバディで頭がいい医者に仕上がったら最高だぜ!!よし、今後は先生を『ミルク育ちの女神さま』と心の中で呼ばせてもらおう!!

…もう、それ以降は全くと言っていいほど『完全ミルク育児』に劣等感も抱かなくなり、
小児科の検診などで隣に座ってるママから「もうおっぱいカチカチで大変ですよね~」という『母乳あるある話』を急に振られても「あ、ワタシ『完ミ』なんですよ。やっぱり乳腺炎とかってなると大変なんですか!?」なんて母乳育児に興味が湧くくらい気持ちに余裕が生まれました。

ワタシの心配をよそにムスコはモリモリとミルクを飲み、風邪もひかず、発育も成長曲線ど真ん中をひた走り、元気に育ちました。

母乳育児でもミルク育児でも母乳とミルク混合でも、それぞれにメリット・デメリットがいろいろあるかとおもいますが、
『どの育て方が一番いいか』よりも『ママと子供が元気に過ごせる』ことのほうが大事だと痛感しています。

ちなみにワタシがもし次の子どもを妊娠出来たら、同じように『母乳育児』を目指します。
出るなら・出せるなら母乳で行きたいですよそりゃ。
それでもまた同じように『ミルク育児』の可能性が出てきたら迷わずに『ミルク』も選択します。

その時、その時のベストを尽くせばいいし、
むしろ『母乳』と『ミルク』という選択肢が存在することがラッキーじゃないかと。

もしまた『母乳神話』にこだわりだして不安に思う時が出てきたら、あの時の担当女医の笑顔を思い出せば、きっと「ふふっ」と笑って前を向ける気がします。

ありがとうございます!『ミルク育ちの女神さま』ーー!!

つづく

 大手出版社から単行本を数冊発表し、現在は休業中の(元)漫画家。アシスタント業をメインにしながら、主婦業とお母さん業でも大忙しの毎日。夫である鈴木妄想とオタクトークで燃え上がるのも日課。息子の笑顔と各国アイドルのPVを見て癒されている。

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