「退屈な話し方」になっていない?

幼稚園、保育園の時代は保育者がピアノを弾いて歌を歌ってくれたり、手遊びをしてくれたりしますが、小学校は楽しいことばかりではありません。国語、算数など学力をつける場だからです。

でも、子どもたちは退屈な授業でも「席を立つと先生に注意される」「授業中は45分間はじっとしていなくてはならない」とわかっているので、我慢して座っています。

ところが発達障害児は退屈だとよそ見をしたり、教室から出て行ったりします。感度のよいアンテナを持っている子どもなのです。でも、こういう子ども達でも集中させられる教師がスキルが高いのだと思います。

着ている服を変えるだけでも変わる

家庭でもパーフォーマーになりましょう。

ママの服装もエプロンを外し入学式などに来ていた上着を羽織り、改まった感じの雰囲気を出すだけで緊張感が漂い、子どもは「ああ、聞かねばならない」と察します。

「曖昧な指示」に要注意!

Ⓒあべゆみこ

「早くしなさい」
「きちんとしなさい」
「ちゃんとしなさい」
「もう少しだから我慢していなさい」

と念仏のように唱えている人がいますが曖昧な言い方です。

大人だって病院が混雑しているとき「もう少しお待ちください」と言われても、10分なのか30分なのかわからず凄く待たされた感じがします。でも「診察まで待ち時間あと20分」と言われたら待つことが出来ます。

タイマーや写真で見せることも大事

まだ人生経験が短い子どもに漠然とした言い方は伝わりません。

タイマーや砂時計を見せて「この時間はこの場所にいるように」と教えたり、整理整頓されている写真を貼ったりした方が断然わかりやすいです。

「具体的な見本」も大事

手本を渡して「綺麗に書きなさい」だとか「丁寧に書きなさい」と言われても具体的にどこをどう書けばいいのかよくわかりません。書けば書くほど悪筆になったりします。

写真のように「お玉のように書こうね」と実物のお玉を示すとわかりやすく、上手に書けます。

発達障害児にわかりやすい指示は、他の定型発達児にとってもわかりやすい

住み易い社会を作るためには立場の弱い人に話をきくのが確実と言われています。子どもや障害者が安心して暮らせる社会は健常者にとっても快適です。

障害者を「社会のお荷物になるから」と抹殺しようとする風潮があった場合、これは健常者も安心して暮らせない社会になります。

子どもへの躾でも、発達障害児にわかりやすい指示は他の定型発達児にとってもわかりやすいです。別の世界のことと思わないで、障害児教育のやり方を家庭でも真似してみてくださいね。