幼稚園の先生が素敵と感じたママは…『生きることを楽しんでいるママ』!

ところで、幼稚園の先生から見て「素敵だな」「好感が持てるな」と思うママとはどんなママでしょうか。新田さんの経験をもとに聞いてみました。

新田「長年、幼児教育に携わっていると『この子はまっすぐ育っていて素敵だな』と感じる子にたくさん出会います。

すると、やはり育てているママがどんな方なのかとても気になります。そこで、素敵だなと感じるお子さんのママ一人一人に聞き取り調査をしてきたんです。『子育てのために、何か家庭で心がけていることはありますか?』と。

すると、回答が見事に共通しているのです。それは『すぐに思い浮かばないですね~特に何もしてないんですけどね~あははは!』です。注目すべきは『何もしていない』ではなく、言葉の最後につく『あははは!』の笑いです。

つまり、『あははは!』が出るということは、毎日を楽しめているということ。こういうママは、放任はもちろん、過干渉にもなることはないんですね。

自分の人生が満たされているから、子どもたちにも『生きるって楽しいものだよ』の大前提が染み込みます。そうすると、何より情緒が安定した子になります。

情緒の土台は幼児期が鍵です。木に例えたら幼児期は根っこを広げる時期です。根を深く張れていれば、丈夫で豊かな枝葉が茂ります。

情緒の安定、“自分は愛されている”という安心感があれば、あとは発達段階に合わせて自然と知的好奇心が芽を出して、自ら学んでいく子になります。

素敵なママの子は素敵です。その素敵とは『生きることを楽しんでいる』というエネルギーがママから出ているかどうか。先に『子どもの人生の主役は子ども』とお伝えしましたが、同じように『ママの人生の主役はママ』ということです。

互いに心の自立があった上で寄り添うことが親子のいい関係を作ります。我が子のことを思うからこそ、どうぞご自分の人生を楽しんでくださいね!」

幼稚園の先生との関係や、コミュニケーションの取り方、そして素敵なママになるヒントまで得ることができました。家庭ごとに幼稚園に関する悩みは異なりますが、ぜひヒントにしてみてくださいね。

【取材協力】新田 純子さん
保育家 子育て心理カウンセラー
児童学科で心理学を専攻し、幼稚園教諭となる。教育公務員として17年勤務する中で2700組を超える親子と出会い、母と子の心は太くつながっていることを実感。新採研修の講師も務める。出産と流産を2回ずつ経験しカウンセリングやセラピーを学ぶ。1年の復帰を経て退職し2017年ママと先生のための縁側スペースneiroを立ち上げる。