普通の子から見ると発達障害の子はどのように映る?
ーーいわゆる”普通の子”というのはたまたま学校の教育方針にその子が合っていただけ、ってとこですね。ちなみに、そういった普通の子から見ると、発達障害の子というのはどのように映るのでしょうか?
西永「実は本当に小さな頃というのは、発達障害だろうと分け隔てなく仲良く遊んでいたりするものなのですが、だいたい男女が分かれて遊ぶようになる9歳頃から、『あれ?なんかこの子違うな』という見方をしたりということがあります。
一例ですが、発達障害の子はお友達に乱暴をしてしまったり、順番や時間を守らなかったり、という部分が現れることで、お友達との間に溝ができてしまったりということもあるようですね。」
ーーしかし、障害は結果、と考えると発達障害の子のそういった行動にも理由があるわけですよね。
西永「そうですね、例えばお友達に乱暴してしまうのは、うまく言葉が出てこなかったりすることからの行動ですし、順番や時間を守らないことに関していえば、そもそも時間や順番の概念がまだ身についていないという理由があると思います。
同じようなことを発達障害があるとは言われていない子ができていたとして、発達障害の子は個々の発達の問題で、まだその行動をする理由が理解できていないからですね。」
もしもお友達に発達障害の子がいたらどう接すればいい?
ーーもしクラスの中にそういった発達障害の子がいる場合、トラブルになったりすることもあると思いますが、普通の子の親の立場から発達障害の子に対する接し方について、子どもに伝えておくべきことはありますでしょうか?
西永「発達障害の子というのは個々の発達の問題でできないことがあるという場合が多いので、モデルになるような子がいれば、真似をして色々覚えることもできるんです。
なので、親が子どもに発達障害の子との接し方についてわかりやすいヒントをあげると良いですよね。その子の発達に合わせた遊びを取り入れるとか。
子どもはモノマネが上手なので、『真似してみよう!』のような遊びも良いと思います。
あとは、やはり『その子は障害があるから』という見方ではなくて、まだこのようにしなければいけない理由がわからないだけだということも教えてあげてほしいですね。
先ほども言ったように、発達障害は原因ではなく結果による診断なので。発達障害と診断されていても高校や大学でグンと伸びる子もたくさんいますし。
支援する側の子にしても、人に何かを教えたりすることによって自分の能力が伸びたりすることもありますし、お互いに発達を引き上げていくという観点が必要かなと思います。」
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「発達障害」と診断名を告げられることで、本人や家族、周囲も戸惑ってしまうことも多いはず。
しかし、発達障害だからできないのではなく、今はできないから発達障害と言われる、そう考えれば、発達障害を抱える本人や家族はもちろん、普段接している周囲の子どもやその家族もまた違った観点から関係を築くことができるのではないでしょうか?
今回インタビューした西永堅さんの著書『基本から理解したい人のための 子どもの発達障害と支援のしかたがわかる本』は、今までとは違う観点で発達障害を理解できる目からウロコな一冊です。