――何か、できることがあるんでしょうか。

「パパにできること」をするために必要なこと

安藤:おっぱいの出ない僕らだって、たとえ2時間は無理にしても、20分や30分なら赤ちゃんの面倒を見られるんですよ。だからママがちょっと用事を済ませたり、リラックスできる時間くらいは、つくってあげることができるんじゃないかな。

で、ここからが重要!

ママが赤ちゃんを預けるにあたって「パパだから任せられる」「安心して気分転換して来られる」と思える、お互いの信頼関係を築くために大事なことってなんだと思いますか。

――夫婦の信頼関係を築くために大事なこと、ですか?

安藤:それは「日頃から子どもと関わっておくこと」です。

週末だけ子どもの面倒を見ようとしたって、赤ちゃんはギャン泣きでしょ?

パパとはいえほとんど知らない人がやってきて、ぎこちなく抱っこしたりお世話したりすれば、赤ちゃんが泣き出すのは無理もないこと。たまにしかやらない人がやったって、うまくゆかないのは当たり前なんです。

ここで最初の話に戻るのですが、結局のところ、育児には“コツ”も“テクニック”もありません。ましてや、能力の問題でもない。

ただ普段から子どもと関わる「時間」をつくっておく、日頃の努力の積み重ねしかないんです。

パパというのは、困った時に“ツール”みたいなものに走りがちなんですが(笑)

ママとパパの負担を減らすために、育児や家事がより効率的に進む“ツール”を考えるのはいいと思いますが、その場しのぎの“ツール”には走らないほうがいい。それは大抵うまくゆきませんし、そもそも問題の解決につながりません。

とりわけ産後の授乳期は、母乳にしたってミルクにしたって、ママは大変です。

ママが育児も家事もワンオペでするのではなく、ママが疲れている時に、パパが家事をすることも立派な育児。ママの話を聞いてあげることだって、間接的には育児です。

ワーク・ライフ・バランスを整えて仕事から早く帰宅するようにする、育休を取れたらもっといい。

そうやって子どもとの「時間」や、広い意味での育児の「時間」をつくることが、どんな“コツ”より“テクニック”より“ツール”より、重要なことなのではないでしょうか。

パパは、ママに勝てない部分はあるけれど、できることだっていっぱいある。