パパが「俺ひとりだって大丈夫」という確信を持つことは可能だし、パパにその確信があれば、そしてママにも「パパひとりだって大丈夫」という確信があれば、ママもパパも不安に思うことなく、お互いを信頼して、もっと自由に動けるのです。

結果として、ママが「閉じ籠もっていなきゃ」と思い詰めることもなくなります。

それこそ授乳期が終われば、パパと子どもだけで旅にだって行けますよ!僕も3人目が3歳になった誕生日、ふたりで2泊3日の沖縄旅行に行きました。

妻はその間、自分の時間が増えたといって喜んでいましたし、僕自身も楽しかったですし、いい思い出になってます。

FJは“いい父親”ではなく“笑っている父親”を増やすことを目指してつくりました。「ファザーリング(Fathering)」という言葉には“父親であることを楽しもう”という意味がこめられています。

怖~い顔をした“いい父親”より“笑っている父親”のほうが、パパも、ママも子どももハッピーですよね。パパの笑顔が家族の笑顔を生み、ひいては社会を変えてゆく原動力になるのです。

「公共の場での授乳」にしても、いま育児にまつわる問題は山積みかもしれません。でも実は「パパにできること」はたくさんあります。“笑っている父親”が増えることで、子どもを取り巻く社会がいい方向に向かってゆくと信じています。

記事企画・協力:光畑 由佳

【取材協力】安藤 哲也(あんどう てつや)氏 プロフィール

1962年生まれ。二男一女の父親。NPO法人「ファザーリングジャパン」ファウンダー/副代表。

社会的養護の拡充と児童虐待・DVの根絶を目指すNPO法人「タイガーマスク基金」代表理事。年間約200回の講演や企業・自治体セミナー、父親による絵本の読み聞かせチーム「パパ’s絵本プロジェクト」等で全国を飛び回りながら、子どもが通う小学校でPTA会長、学童クラブや保育園の父母会長も務め、マクロにミクロに活動中。

著書に『「パパは大変」が「面白い!」に変わる本』(扶桑社)、『父親を嫌っていた僕が「笑顔のパパ」になれた理由-親を乗り越え、子どもと成長する子育て』(廣済堂出版)、『家族の笑顔を守ろう! パパの危機管理ハンドブック』(ホーム社)、『パパ1年生』(かんき出版)、『パパの極意 仕事も育児も楽しむ生き方』(NHK出版)、『この本よんで! papa’s絵本33』(小学館)、共著に『新しいパパの教科書』(学研)、『パパルール―あなたの家族を101倍ハッピーにする本』(合同出版)、『絵本であそぼ!―子どもにウケるお話し大作戦 (はじめて出会う育児シリーズ)』(小学館)、翻訳絵本に『ぼくとおとうさんのテッド』(文渓堂)など。

15の春から中国とのお付き合いが始まり、四半世紀を経た不惑+。かの国について文章を書いたり絵を描いたり、翻訳をしたり。ウレぴあ総研では宮澤佐江ちゃんの連載「ミラチャイ」開始時に取材構成を担当。産育休の後、インバウンド、とりわけメディカルツーリズムに携わる一方で育児ネタも発信。小学生+双子(保育園児)の母。