新しいEDテーマ曲は『ヒメのくるくる片思い』

そしてその手嶋の相方・青八木を演じる八島諒は、今回の舞台で新たな扉を開けたように見えた。すなわち、コミックリリーフとしての位置づけだ。

手嶋役の鯨井とのコンビ漫才も、一人での孤独なボケも、鏑木相手のノリツッコミも、舞台上の笑いを淡々と捌く手腕に、八島のとてつもない底力を感じた。

特に、今回から導入された青八木の必殺技「肉弾丸」シリーズは、箱根学園(ハコガク)泉田の「アンディ・フランク」に続く新しいお楽しみとなりそうだ。

この演出については、ぜひ実物を見て欲しいので、BD/DVDの発売を楽しみにお待ちいただきたい。

今回の舞台は大きく「合宿」と「インターハイ一日目・スプリントリザルト」の2つのエピソードで構成されたが、次回の舞台への期待感を持たせる終わり方だった。

次回はインターハイ・山岳賞だと考えると、原作ストーリーを知っていても胸が高鳴る。次回もぜひ、アツい展開を期待している。

そして恒例のエンディングは、今回から新曲となった。

作中で小野田が激推しするアニメ『ラブヒメ』の新テーマソング『ヒメのくるくる片思い』は、もちろん引き続き、渡辺航作詞・manzo作曲・桃井はるこ歌唱だ。

今回は事前に振り付け動画が公開されており、舞台を観に来た観客も一緒に振り付けを楽しめる試みがなされていた。

毎度このエンディングパートでは、慣れた様子でノリノリの人、なんだかキレがよすぎて笑ってしまう人、どこかぎこちないけど良い笑顔で踊る人、さまざまなキャストたちの個性が見えて面白い。

個人的には八島・飯山・谷水とフレッシュなメンバーのヒメヒメがとても印象に残った。

若いキャストたちが紡ぐ新しいペダステ、そして受け継がれていくペダステ魂を、今後もしっかり見続けて行きたい。

 フリーランスエディター・ライター。原宿系ファッション誌の編集者などを経て、2014年独立。ファッション、アニメ、マンガ、ヴィジュアル系、腐女子などのカルチャー分野について執筆。