しぶとく生きることって大事なんだな、って

撮影:山口真由子

――最初に“刺さる言葉があった”とおっしゃっていましたが、どんなセリフが響きましたか?

星ばあの“しぶとく生きろ”というセリフは素敵だな、と思いました。いろんな捉え方ができる言葉だとは思うんですけど、僕はこの言葉が前に進むための活力になるな、と思いました。

明石家さんまさんの“生きてるだけで丸儲け”という言葉も好きで、それと似た感覚があるんですけど。辛いことがあったとしても、しぶとく生きることって大事なんだな、って思いました。

――“しぶとく生きろ”って年齢を重ねると響く言葉のような気がするのですが、まだ23歳の伊藤さんにも伝わるものがあるんですね。

確かに10代の頃とかって、正直、生きるとか、死ぬってことがあんまりピンと来てなかったと思うんですけど、段々とそういうことがわかるようにもなってきて。

言い方が難しいんですけど、人って考えているよりも簡単に死ねてしまうじゃないですか。この瞬間の次に何が起こるかわからないわけで。

だから自分が急に死んでしまったらどうなってしまうのかな?とかも考えたりするようにもなりました。そう思うと、何があってもしぶとく生きる、というのは、すごく大切なことなんだと思います。

――何かそういうことを深く考えるきっかけがあったわけではないんですよね。

これといったきっかけがあったわけでないんです。幸いなことに、身近で大切な人が亡くなってしまったわけでもないですし。

ただ、今の状況で言うと、世界中でたくさんの人が命を落としていることを見たり、聞いたりする機会も多いじゃないですか。そうすると、他人事でもないと思うし、考えてしまいますね。

撮影:山口真由子

――そうやって数か月で私たちの生きる環境が変わってしまって、映画を撮っていたときと、公開のときとで世の中が変わってしまった部分もありますが、改めて、この映画を通して伝えたいことはありますか?

もちろん(映画を)撮っていたときも思っていたんですけど、今はより強く、人と人とのつながりの大切さをこの映画から感じています。人が人を想うこと、人と人がつながることは大事ですよね。

人はやっぱり一人では生きていけないし、助け合いながら生きていかなきゃいけない。それは家族であれ、友達であれ、他人であれ。そういうことに関係なく、みんなが助け合って生きていくことが重要だと思うので、それをこの映画を通して感じてくれる方がたくさんいてくれたら嬉しいな、と思います。

この数か月で本当に当たり前だったことが、当たり前でなくなってしまうとか、いろんなことが変わってしまって。これからどうなってしまうんだろう、常識ってなんだろう、とかって考えると怖くなりますよね。だからこそ、変わらずに伝えられることがあってほしいなと思っています。


“普通”の大学生を“普通”に演じることで、“普通”に存在感を与えることのできる伊藤さん。トリッキーな役はもちろん、こういう“普通”の役も演じることで、俳優としての技量を発揮しているのが素晴らしいです。

ちょっと不思議だけど、誰もが共感できる想いを届ける映画『宇宙でいちばんあかるい屋根』。伊藤さんのほっとする笑顔に癒されながら、観てみてください。

作品紹介

『宇宙でいちばんあかるい屋根』

2020年9月4日(金)全国ロードショー

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