アルバム前半の緊張感を『骨』で解放
── その切なくて重い『アーメン・ザーメン・メリーチェイン』の次に収録されているのが『骨』ですね。前半の重くて緊張感がある内容から、この中盤に入るところで、ちょっと気持ちが和らぎます。
峯田 緊張感が続いた前半からの解放の1曲目(笑)。特に『骨』は、もともと安藤裕子さんからの依頼で作った曲で、我が子を思うお母さん目線の穏やかな気持ちで作った。だから、『アーメン・ザーメン・メリーチェイン』のような取り返しのつかない感じはない(笑)。アルバムではこの『骨』の後に、『エンジェルベイビー』『恋は永遠 feat.YUKI』と続くけど、この3曲は、2017年に連続で出したシングル。ポップで聴きやすいと思う。
たださ、2017年に3ヶ月連続でシングルリリースしたときは「それぞれの曲の世界観が伝わればいいな」と思うだけで、「アルバムにどうやって入れようか」みたいなことまでは考えてなかった。
今回アルバムに入れることになって、改めてこの3曲に向き合ってみたんだけど、それぞれの曲は個性的で良いものの、レベルも違えば音域も違うし、なんかバラバラだったんだよね。そこであえてアルバムから省くこともあるけど、このポップな3曲をボツにするには惜しいから。なんとかそれぞれの曲が持つ個性を生かしながら、なおかつアルバムの中にどう配置すれば生きるか……みたいなことをずっと考えていた。結構難しかったけどね。
── 特に『骨』は、いじりにくそうというか、曲そのものの構成・アレンジもシンプルだから、足し引きが難しそうに思いました。
峯田 そうだね。
── ただ、今回のアルバム用のアレンジで、シュープリームスとかロネッツのようなポップな感じがより出ているような……。
峯田 そこは意識したよ。シングルの『骨』よりも、さらに耳障りが柔らかくなるようになっていると思う。大袈裟に言えばフィル・スペクター(笑)。あと、ビートルズとか1910フルーツガム・カンパニーとか、ああいうサウンドを意識して録り直した。アルバムに入れて他の曲との相性を崩さないように考えながら。
※次回へつづく
●全11回インタビュー:各回更新!
リリース情報
銀杏BOYZ ニュー・アルバム『ねえみんな大好きだよ』
10月21日(水)発売
品番:SKOOL-049 価格:3,300円+税
収録曲(全11曲)
01.DO YOU LIKE ME
02.SKOOL PILL
03.大人全滅
04.アーメン・ザーメン・メリーチェイン
05.骨
06.エンジェルベイビー
07.恋は永遠 feat.YUKI
08.いちごの唄 long long cake mix
09.生きたい
10.GOD SAVE THE わーるど
11.アレックス