「いきみ逃し」の情報収集は大事!
肛門にテニスボールを押し当てるとか、腰を揉んでもらうとか、今となれば、あのタイミングでこうすればもう少し楽だったんじゃ…と思うことはありますが、当時、両親学級で具体的に方法を教わって、記憶に残っていたのは呼吸法のみ。
とにかく呼吸法でしのぐのが正しいのね、と大真面目に信じていたので、ほかのいきみ逃しのシミュレーションはしていませんでした。
そして本番、子宮口が開くまでの間、陣痛室では「まだいきまないでくださいね〜呼吸法で逃してくださいね〜」と言われるだけで、特に具体的な方法は伝授してもらえず、ただひたすらにコントロール不能となった自分の体と戦う、苦しい時間を過ごしました。
とにかく病院が呼吸法を大事にする方針だったのかもしれないのですが(そして呼吸法は両親学級でレクチャーしたら自主練あるのみ)、初めてのお産で痛みにケモノ化している場合、もはや自分のコントロールではどうにもならなくて、プチパニックになることもあると思います。
正直、練習した呼吸法なんて、自力では思い出せませんでした。
ということで、手取り足取り教えてくれなさそうな総合病院を予約している場合、お産の本番前に、いきみ逃しの方法は情報収集することをおすすめします。
そして、実際にその体勢をとってみたりして、シミュレーションしてみるとベストですね。
想像を超える痛みに耐えている最中、全くやったことのない体勢を取るのって難易度高いと思うんです。ちょっと痛いかな?、みたいな段階で、練習がてら、早めにいきみ逃しの動作を始めるのも良いかもしれないですね。
パートナーと一緒に、こうなったらこの方法、その時パートナーはここを揉む、というように予習しておくと、パニックにならずに済むと思います。
いきみ逃しに効果絶大だった「菩薩ボイス」
地獄の移動をやりきり、たどり着いた分娩室。
そこにね、降臨したんですよ、菩薩さまが(笑)。
それまでテキパキと身のこなしも軽やかに働く助産師さんしかいなかったんですが、分娩室にいた優しい雰囲気の助産師さんは、その人の周りだけ時の流れが違うんじゃないかしらと思うくらい、ゆっくりゆっくり話す人でした。
その人に「ゆーーーーーーーっくり、息を はいてくださいね・・・」と言われて息を吐き出した次の瞬間、すっと息が吸えて、肺に酸素が届いた感覚をはっきりと思い出します。
しっかりと息を吐くことによって自然と息が吸えるんですよ、と両親学級で言われた、あの、練習した呼吸法がやっと実践できた瞬間でした。
傍らに立つ助産師さんに後光がさして見え、菩薩さま…!ってなりましたね(笑)。
その後、しばらくその助産師さんが付き添って、呼吸法をリードしていてくれたんですが、「ちょっと準備をするので外しますね」と言われた瞬間の不安たるや!
献身的に腰をさすりまくっていたダンナそっちのけで、そばにいてください…!と懇願していました(笑)。
でも、普通の速度で話しかけられると、また息が吸えなくなりそうで、めっちゃ怖かったんですよね…。
パートナーは菩薩ボイスの習得を(笑)
ただ、ゆっくりしたテンポで話しかけられるだけで、「はい、ふーーーーーーーーっ、ふーーーーーーーーっ」と呼吸の掛け声をしてもらえるだけで、はっと練習した呼吸法を思い出したり、痛みに耐えるためにギュッと入ってしまっていた力を抜いたりすることができたりしました。
陣痛に全身で耐え続け、痛みの中で初めて息がまともに吸えた時の安心感、ハンパなかったです。
あの助産師さんがいなかったら、ただただパニックのままお産が終わっていたんじゃないかな(むしろ無事に終わってたかどうかすら不安)と思うし、本当に、もう一度会えるなら、あの時にいてくれたことに感謝を伝えたいくらいです。
「いきんじゃダメなのにうまくできなかった」という記憶だけではなく、「最後はしっかりコントロールできた」という記憶があるかどうかって、結構大きいと思うんですよ。産後、自己嫌悪とかでナーバスになっている時とか特に。
だから、妊婦のパートナーの人は、通常の倍の時間をかけて声をかける「菩薩ボイス」(勝手に命名)をぜひ、習得してみてください。ダマされたと思って。恥ずかしいとか言わないで(笑)。
人生最大の痛みに耐えている時、パートナーが菩薩化したら、妊婦は絶大なる信頼と感謝の気持ちを抱くと思いますよ。多分(笑)。
よかったら、試してみてくださいね!
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