生瀬勝久、池田成志、古田新太。この3人が集結した演劇界最強ユニット「ねずみの三銃士」が動き出した。
第4弾となる『獣道一直線!!!』は、婚活サイトに登録していた独身男性が次々と殺され、その3人に関わりある女性の存在が浮かび上がるーーという物語。6年ぶりの作品について、第1弾から脚本を担当する宮藤官九郎、演出の河原雅彦に話を聞いた。
――『獣道一直線!!!』は生瀬勝久さん、池田成志さん、古田新太さんのユニット「ねずみの三銃士」の6年ぶりの舞台ですね。今回のお話はいつ頃から動いていたんですか?
宮藤 前作『万獣こわい』が終わってわりとすぐだったと思います。「新しいPARCO劇場のオープニング・シリーズでやりましょう」という話で、ああもう絶対それがいいって。まさかこんなにすぐ2020年が来るとは思っていませんでしたけど。
河原 やっぱり来るんですね〜、2020年。『万獣〜』が終わる頃にもう、今回の題材となった実際の事件を古田(新太)さんが挙げて、「じゃあ次はこれをやろう」と言って別れた感じでした。
宮藤 一人の女性が次々と男を騙していくっていう。
河原 そのときから「池谷(のぶえ)さんがその女性をやってさ」って。で、6年ぶりに会ったら宮藤さんがそれを形にしたぶっ飛んだ本を書いてきてくれて、いま稽古をやっているという。
宮藤 基本的に、3人が口を出してくるのは最初の雑談とキャスティングまで、ですよね。
河原 だいたい古田さんの案が通るんだよね。毎回、古田さんがニヤニヤしながら「こういうのどうだ?」と提案して、(池田)成志さんが「もういいよ古田、ひどい話は!」って言うけど結局いつもそれになる。
宮藤 生瀬(勝久)さんは常にウェルメイドをやりたがってるけど実現しない、っていう(笑)。
――『鈍獣』『印獣』『万獣こわい』ときて、第4弾のタイトルが『獣道一直線!!!』。
宮藤 最初、騙されているとわかっていて騙される人たちの話だから『獣獣承知』にしようと思ったんです。同時にいまのタイトルも思いついて、2案出したんですよ。でもまあ前者になるだろうと思ってたのに、3人とも『獣道一直線!!!』がいいというので、こうなりました。
河原 初期のころに『耄碌(もうろく)獣』ってタイトル案もあったよね。「耄碌した獣の話ってどんなだよ!」と僕はすごくわくわくしていたけど、漢字が難しくて伝わりづらいということでこうなりました。