鶏モモ肉の豆腐乳炒め

台湾の調味料、豆腐乳。チーズのような柔らかい発酵豆腐が入っている。辛味のついた赤い色のものもある

最後は中華食材店で調達した「豆腐乳」を使ったレシピ。

これは、私が翻訳を担当し、今年8月に翔泳社から発売された『台湾の美味しい調味料 台湾醤(ジャン)』種籽設計 著(翔泳社)に掲載されているもの。

豆腐乳は沖縄名物の豆腐ように似た発酵食品。塩分が強く、東洋のチーズとも言われる。

そのままお粥のお供にもなるが、台湾人はこの発酵食品で下味を付けた料理が得意だ。

『台湾の美味しい調味料 台湾醤』種籽設計 著/光瀬憲子 訳(翔泳社)。日本で台湾料理を再現するときに使える醤(調味料)のレシピがたくさん載っている

『台湾の美味しい調味料 台湾醤(ジャン)』では、パクチー、生姜、ニンニクのみじん切りと豆腐乳に混ぜ、白ゴマ油と水を足すというシンプルなタレを紹介している。

台南で出合った豆腐乳漬けの唐揚げ。油っこさが半減し、まろやかになる

このタレに鶏肉を漬け込んでから揚げたり焼いたりすると、豆腐乳の塩分と旨味が染みて美味しい。

みじん切りのパクチー、生姜、ニンニクがいいアクセントになっており、爽やかな辛みがある。

また、豆腐乳をパンに塗ってトースターで焼けばコクのあるガーリックブレッド風だ。

中華食材店に行くと懐かしい香りがして、あれも、これもとつい買い込んでしまう。

ネットでも中華食材を専門に扱う店があるので、自己流の台湾料理にチャレンジしてみてほしい。

みつせ のりこ:90年代から台湾と関わり、台北で留学や就職、結婚や子育ても経験。現在は執筆や通訳、取材コーディネートの仕事で日本と台湾を往復している。著書に『台湾の人情食堂 こだわりグルメ旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾縦断! 人情食堂と美景の旅』『台湾一周!!途中下車、美味しい旅』など。株式会社キーワード所属。