ステップ3:提案を実行に移す

もとの場所に戻り、相手の子に「10分たったら貸せるから、ちょっと待ってもらえるかな?」と説明しましょう。この時、当事者である自分の子どもに、「『あとで』って言えるかな?」と促して、自分事として認識させましょう。

10分たったら、一緒におもちゃを渡しに行きます。たとえ相手の子がそのおもちゃに興味がなくなっていたとしても、渡して約束を守らせましょう。

ステップ4:できたことを褒める

約束を守れたことを褒めてあげましょう。感情に呑み込まれず、どのようにふるまうのかを教えることで、集団のなかでも楽しく遊べるようになり自信を持つことができるようなります。

すると徐々に積極的に行動できるよう変わっていくことは往々にしてあります。

うまくいかない場合は?

もう一度ステップ1から行います。この時、「次に癇癪を起したら、お家に帰るわよ」と約束させましょう。

それでもうまくいかない場合は、「今日はもう疲れたみたいだから帰るね」と、周りにも声を掛けて帰りましょう。そうすれば角も立ちませんし、子どもも安心して帰れます。

ママ自身が、レジリエンスが低い場合も!

「貸してあげなきゃ、ダメでしょう」と頭ごなし子どもを叱ったり、「貸せないなんて、いじわるね」と子どもを責め立てたりする親は、レジリエンスが低いのかもしれません。

先程のおもちゃの例で、説明してみましょう。おもちゃを貸せない自分の子どもに対し、「自分の子はダメだ」「私の育て方が間違っているのかな」と、自信喪失してしまうことがありませんか?

これは、「他人の子どもはできるのに、自分の子どもはできない」と、他者と比較してしまうからです。

しかし、他人の子は「単に、そのおもちゃに飽きて、貸してくれたのかもしれない」と考えると、気が楽になりませんか。このように、冷静な視点で状況を見ることで、気持ちが落ち着くことがあります。

たとえば、子どもに行動に対して戸惑ったことを、ノートに書き出してみましょう。自分の考え方だけではなく、第三者的な解釈を加味したり、客観的に見ることで、失敗を許容したり、次のチャレンジにつなげることができるのです。

最後に

子どもの行動や感情には、必ず理由があります。子ども自身が自分の気持ちに気づき、自分で気持ちに整理をつけ、どう行動すればいいかを考えられるようになることが、成長には不可欠です。

レジリエンスは、“心の筋肉”ともいわれていますので、どんどん鍛えていきましょう。

「ぴあ中部版」映画担当を経て上京、その後はテレビ情報誌、不動産雑誌・広告などの編集・ライターを務める。著書に『年収350万円でも家が買える』(2014年・彩図社刊)。また、映画監督としては、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭などで注目され、2002年「異形ノ恋」(出演・西川方啓、木下ほうか、寺田農)でデビュー。