「おかえり!」の声に涙。松田がファンに向けて心境を語る
アンコールでは、ファンのみならずメンバーからの人気も高い楽曲「青春の馬」を披露。アップテンポな曲調に乗せて力強く足を踏み鳴らし、前に進む姿勢を印象づける。
そのまま、この日唯一のMCタイムに入ると、進行の佐々木久美が「喋りたいことがいっぱいあるから、みんなすごいテンション高いね」と驚いたように、メンバーたちがハイテンションで感想を話していく。
金村美玖が「ほんとにホテルに来たような気分になりました」と言うと、「ひなくり」初参加の山口陽世が「日向坂に入れて幸せです」と感慨を語る。
そして、小坂菜緒が「私はポカに応援してもらったので……」と照れると、メンバーたちから「なんで奈緒だけ?!?」という声が上がる。
冠番組『日向坂で会いましょう』を見ているファンは、ポカの正体に気づいているようだが、配信画面のコメント欄でそうした意見を交わせるのも、配信ライブならではの楽しみだろう。
そして前半で一曲だけ披露した松田好花が改めて呼び込まれる。メンバーの「おかえり!」という声を背に受けて涙を浮かべた松田は、画面の向こうのファンに現在の状態と気持ちを伝えた。
「眼の病気でお休みをいただいてたんですけど、少しずつよくなってきたので、今回こういう形で出させていただくことができました。今こうやって立っていることが幸せです。たくさんご心配をおかけして非常に申し訳なかったです。
病気だって分かったときは、本当に頭が真っ白になってどうしていいか分からなかったんですけど、メンバーだったりおひさまのみなさんだったり、たくさんの方が支えてくださって、前向きになることができました。ありがとうございます。完全に万全な状態とは言い切れないんですけど、様子を見ながら、大好きな日向坂の活動を再開させていけたらと思います。これからもよろしくお願いします」。
リハのときから泣いていたという渡邉美穂は、松田の言葉を聞きながら高校球児のように号泣。
「22人が揃って歌えるって、当たり前じゃないんだなって……。全員揃ってるって感じて、ほんとに嬉しくて感動しましたし、本当にありがとうございます。戻ってきて安心しました」と語った。
東京ドーム公演実現への願いをこめた「約束の卵 2020」
最後はいつもどおり、キャプテンの佐々木久美が締める。
「今年は思うように活動できなくて、メンバーの休養とかもあって、私達もたくさんの障害があった1年なんですけど、イブにこうして素敵な場を用意していただいて過ごせたっていうのは、応援してくださって支えてくださってるおひさまのみなさんのおかげです。ありがとうございます。
2021年はどういう状況になっているかわからないですけど、おひさまに会える1年になったらいいなって思います。(休業中の)宮田愛萌も帰ってきて、22人で『ひなくり2021』を迎えたいなって思います。2021年こそ、“約束の地”でこの曲を歌えるって願いを込めて」と語り、最後の曲フリをした。
ラストに歌ったのは「約束の卵 2020」。東京ドーム公演への思いが込められたこの曲は、昨年の『ひなくり2019』でもメンバーたちが涙ながらに歌った大切な楽曲だ。
あれから新三期生として高橋未来虹、森本茉莉、山口陽世の3人が加わり、22人になった日向坂46は、今年もこの曲でライブを締めた。それは、必ずファンと一緒に東京ドームに立つという約束の証でもあった。
世の中の多くの人と同様、コロナ禍によって活動が大きく制限された日向坂46。予定されていたアリーナツアーや対面での握手会も中止となり、ファンと触れ合う機会は激減した。
しかし、バラエティ番組などに活躍の場を広げ、メンバー発信で動画制作なども行ったことによって、グループの存在感はむしろ増した。
東京ドーム公演は1年延期となったが、その分、より大きくなった日向坂46をドームのステージで見れることを、多くのファンが願っているだろう。