うーん、ミュージカルを初めてやった時は、それまでずっと、マイクを使って歌うことに慣れていたので、「マイクを手に持たずに歌う時の声の出し方」がわからなかったこともありました。
でも、グループを卒業してからは、逆に、ハンドマイクで歌う機会の方が少なくなって。ここ最近では、マイクを持って歌う方が難しくなってきている現状があります(汗)
あと、「声の聞こえ方」で苦戦しているというか…。
--「声の聞こえ方」というと?
私自身がグループにいた時…、って、今日はすごくAKB48の話をしてますね(笑)
グループの時は、マイクに向かってしゃべったり、歌ったりした声が、すぐ耳に入ってきた音で、ずっとパフォーマンスをしていたんです。
ミュージカルの時も、お客さんに聞こえる音を一番大事にしているので、出した声がすぐ耳に入ってくる環境でパフォーマンスをしていて。だから、グループのときと同じような環境で声も張れるし、出せるというか。
でも、少人数でハンドマイクを使ったパフォーマンスだと、「ハッ…」って発した小さな声も、自分の前にある「モニター」から、声が跳ね返って耳に聞こえてくるんです。
グループの時は、何十人もいた中で歌っていたので、その跳ね返りの音を聞いて歌ったことがなくて…。自分の声が機械から出てきちゃうと「声を出すのが怖い」って、思ってしまうんです。
--なるほど。モニターって、舞台上でパフォーマーの前にある箱のようなものですね。
そうです。その「モニター」から、自分の声が跳ね返って聞こえてくるんです。
今回の『#さえともライブ』しかり、夏の『ミライステージ』しかり、『ホリNS』や『AAA』もそうなんですが、モニターから返ってくる音の環境に、耳がまだ慣れないというか、難しいというか。
ライブではリハーサルで、「これくらいが歌いやすい」というポジションを、音響さんにお願いするんですが、自分はアーティストでもないのに「ちょっと音を下げてください」とか言うのは、生意気で、偉そうなんじゃないか、ってずっと思っていたんです。
そうしたら、マネージャーさんが、
「自分の歌いやすいように『歌う環境』を整えるのがリハーサルなんだよ。だから、逆にちゃんと言わないとダメだよ」
って、言ってくれて。昨年末はライブが続いて、しっかり学んだので、今回のリハの時は、「もう少し音を下げてください」とか、「自分の声を少なくしていいです」って、言えるようになりました。
--ライブ前に、アーティストの方が音を調整している光景がありますね。
そうそう。「音をちょっと下げてください」とか、言うじゃないですか。それは、自分にとって一番いいポジションで歌を歌える、そして、その声がいいふうに聞こえてくるように、皆、リハーサルで整えているんだと思います。
--確かにその感覚は、自分自身にしかわからないことですね。
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