プレッシャー? イメージ? 3人の“怖いもの”とは?

ーー映画の中で“幽霊よりも人間の方が怖い”というセリフがありますが、みなさんが現実の世界で怖いものは?

岡田 この仕事をしていて一番怖いのはクランクインの前日ですね(笑)。新しい作品に入りますという前日の夜の怖さ……。怖い、(夜が)明けるのが(苦笑)。「やばい、明日からだ」って。10年以上やっててまともに寝られたことがないから、いつもクランクインの日は眠くてしょうがない。

志尊 へぇー!

岡田 やっぱりお芝居する怖さ、今回で言うと主演をやらせてもらって、作品を背負わなきゃいけない怖さ……。「みんなで背負えるじゃん」というのも分かってるんですけど、どこかでそういうのを感じて「今日も寝られないや」「(現場に)入るの怖いな」って(笑)。

志尊 確かにプレッシャーはすごいよね。

岡田 その怖さに慣れちゃいけないと思う自分もいるし、その怖さを待っている自分もいて、だからこそこの仕事が成立しているのかなと。でもどの作品も「怖いな」って思います。

映画『さんかく窓の外側は夜』 (C)2021映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 (C)Tomoko Yamashita/libre

ーー志尊さんは劇中で“霊が視える男”を演じましたが……。

志尊 僕はあんまり幽霊が視えるような経験はしたことないので、(幽霊が)「怖い」って感情も「怖くない」って感情もないんですけど、“見えないもの”で怖いって言ったら、イメージが怖いですね。

イメージってそれぞれが作り上げるものだし、実際にそうじゃなくてもコントロールして作れてしまうものでもあるじゃないですか。僕がテレビで見られている印象と実際会うと違うっていうのもそうで、イメージによって、できなくなってしまうこと、言えなくなってしまうことがあったりもすると思うんです。だからこそイメージから逸れたとき、許容する心を常に持っていたいですね。イメージどおりにハマらなかったら「違う」じゃなく。

イメージというものからはみ出たときに“悪者”になってしまう印象があって、そうなると、埋没してしまう人も出てしまうし、この仕事だけでなく、もうちょっと受け入れる心を持って生きたいなと思いますね。

ーーご自身がどう見られているかを気にすることは?

志尊 昔は気にしましたけど、今はもう「イメージと違う」って思われてもいいやと思えるようになりました。「こういうイメージだからこういうことしないよね」とか言われることによって、本当は違うけど否定できない気持ちってきついなと思います。

(左から)平手友梨奈、岡田将生、志尊淳 撮影:稲澤朝博

ーー平手さんはいかがですか? “幽霊より人間が怖い”と思うことはありますか?

平手 怖いもの……ですか? 人間が怖いと思う瞬間はたくさんありますけど……。(岡田と志尊の方を見て)何だろう?

志尊 (小声で)虫は?

平手 ううん、大丈夫。怖いものは……大きい音が怖いです。

志尊 ワンちゃんみたいなこと言って。

岡田 ワンちゃんみたい(笑)。

平手 大きい音、ホントダメなんです。すいません、なんかふたりがすごく真剣なのに……。

志尊 バランス取ってくれてるんです(笑)。重くなり過ぎないように。

岡田 舞台挨拶のときに大きい音、出そうか(笑)?

平手 ホントやめてください(笑)!


スタイリング:大石裕介(岡田)、手塚陽介(志尊)、大村鉄也(Commune Ltd., / 平手)
ヘアメイク:中西樹里(岡田)、礒野亜加梨(スタジオまむ / 志尊)、Mao(maxstar / 平手)

『さんかく窓の外側は夜』
1月22日(金)より全国公開

(C)2021映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 (C)Tomoko Yamashita/libre