2:“温泉パン”が人気の「BOULANGERI NOËL(ブランジェリ ノエル)」

温泉とあわせて訪れたいのが、日当山温泉郷近くにあるパン屋「BOULANGERI NOËL」。住宅街にあり、おしゃれな外観が目を引くお店は、休日には県外から足を運ぶ人もいるほどの人気なんです。

ぜひチェックしたいのが、日当山温泉郷にある清姫温泉の温泉水を毎朝汲みに行き、使用した食パン「ひなた山温泉食パン」です。

素材は北海道産小麦粉(春よこい・はるゆたかの2種)と、自家製酵母、植物性マーガリン(トランス脂肪酸低減のもの)と鹿児島県産の自然海塩、種子島のきび糖といたってシンプル。

湯種法で作った食パンは、微炭酸の温泉水が重曹の役割を果たし、しっとりふわふわで耳まで柔らかく仕上がっています。あまりの人気ぶりに、午前中で売り切れてしまうことも多いのだとか。

食べてみると、優しい甘さでふんわり、もっちりした食感。何もつけずに食べても1枚あっという間に食べ切れるほどのおいしさでした。はちみつを使用していないので、赤ちゃんでも安心して食べることができますよ。

他にも、卵・乳製品・バター不使用の「ほうれん草のプチパン」(2個入り税込130円)は、子どもにと買っていく方も多いそう。

同じく温泉水で蒸した「ひなた山温泉プリン」も人気です。

材料は質にこだわった卵・砂糖・牛乳のみ。流行のレトロなかためプリンですが、店主の津崎清二さんは、もともとかためのプリンが好きでこれを作ったそう。ややもっちり食感のプリンはどこかなつかしい味がします。

「BOULANGERI NOËL」では現在なんと200種類ほどのパンのラインナップがあります。

好奇心旺盛で旅好きの津崎さんは、さまざまな土地に旅に出て、旅先でおいしいものを食べることで、新しい素材と出合ったり、新しいパンのアイデアをひらめくのだとか。「粉や酵母で味が変わる。パン作りは“科学”です」と目を輝かせて話してくれました。

パンのほかにも、サンドイッチや焼き菓子、ケーキやランチボックスといったさまざまなメニューがあります。テイクアウトだけでなく店内やテラス席でのイートインもあり、飲み物とともにゆっくりといただくことができますよ。

行くたびに新しいパンに出合えるワクワク感がありそうです。午前中など早めの時間を目指して、ぜひ訪れてみてください。

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住所/鹿児島県霧島市隼人町姫城3丁目130-1
電話/0995-42-1718
営業時間/9:00~18:00 ※売り切れ次第終了
定休日/日曜日
駐車場/あり
アクセス/電車:JR肥薩線日当山駅より徒歩20分、JR肥薩線隼人駅より車(タクシー)で 10分
車:鹿児島空港より車で18分

3:「バレル・バレー プラハ&GEN」で楽しく工場見学&おいしく腸内環境を整える

体の中から健康になれるご飯をいただきつつ、工場見学も楽しめるのが、鹿児島空港に隣接している「バレル・バレー プラハ&GEN」。

空港から車で3分の距離なので、着いてすぐの立ち寄りにも、帰りの時間調節にも便利な施設です。

こちらは焼酎・地ビール・甘酒の工場見学が可能で、ここでしか食べられない麹食材を食べることができる“麹のテーマパーク”。九州に1社しかない、100年続いている種麹屋でもあります。

種麹とは、焼酎や味噌、甘酒を作るのに必要な菌。店主で三代目の山元正博さんの祖父・河内源一郎さんは、暑さに強い、クエン酸、グルタミン酸を大量に生み出す麹菌を発見し、その名をとって「カワチ菌」という学術名になっています。

麹は食べ物をおいしくするだけでなく、継続して摂取することで健康に良いこと、そして麹の力で土壌が本来の良好な状態に復元する力があることがわかってきたといいます。

1,000年も昔から日本の食文化と共にある友好な微生物であり、日本の“国菌”である麹は、大いなる可能性を秘めた菌なんですね。

施設内には、麹の歴史や効能を見ることができる「麹蔵 河内」や、麹製品の数々を販売しているショップ、鹿児島の特産品と麹がコラボレーションしたメニューをいただくことができる「霧島こうじ蔵GEN」などがあります。

ショップで販売している「麹シュークリーム」は、世界的に有名な「ミッシェル・ブラン・ジャポン」の元シェフとのコラボレーションで誕生した、朝どれの麹卵と塩麹のマリアージュがたまらないシュークリーム。

サクッ、パリッとしたクロッカン生地の中に、塩麹のほのかな塩味が効いた濃厚な生クリームがたっぷり。

1日限定55個、ここでしか食べられない味です。売り切れ必至なので、訪れる際にはぜひ事前予約を。

併設する酒蔵には、本格的なチェコビールの醸造所も設けています。

ここでは、本場の技術をベースに開発した鹿児島県第一号のクラフトビール「霧島高原ビール」を製造しています。日本のビールの原点はチェコということで、チェコから延べ100人以上もの人材を受け入れ、チェコ産のホップとチェコ職人がこだわるデコクションという糖化方法と、古典的な開放醗酵で作るピルスナービールです。

ビール党のパパ・ママはつい見入ってしまうかもしれませんね。もちろん、本場のチェコビールを飲むこともできますよ。

ここに来たら絶対に食べておきたいのが、「霧島こうじ蔵GEN」で提供している「麹づくし膳」。

麹入りのエサで育てたご当地豚の「きんこうじとん」や魚、麹を食べさせた豚の「豚ぷん堆肥」を使用して作った野菜など、まさに“麹づくし”の料理です。サラダにかけるドレッシングも特製の麹ドレッシングというこだわりぶりですよ。

麹造りで使う大型の木桶など、麹の歴史を感じられる造りの広々とした店内は、ベビーカーでも入りやすく、子連れでも過ごしやすい快適さ。

空港から送迎を利用して来れば、ふだん運転手役でお酒を飲めない人でも、こだわりのクラフトビールをおいしい料理とともに堪能できます。

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住所/鹿児島県霧島市溝辺町麓876-15
電話/0995-58-2535
営業時間/8:30~17:00 ※売店9:00~17:00、レストラン平日11:00~14:00、土日11:00~17:00
定休日/なし ※レストランのみ水曜日定休
料金/入場料無料
駐車場/あり(大型駐車場完備、大型バス20台駐車可能)
アクセス/車:鹿児島空港より1分、溝辺鹿児島空港ICより3分
※鹿児島空港からの送迎(9人乗りワゴン)あり。要電話問い合わせ