台湾チマキの作りかた

もちごめに干しエビ、干し椎茸をはじめ、たけのこ、にんじん、甘栗など好きな具材を入れていく。蒸すことを考えて、ここで炒めすぎない

塩漬け卵黄と角煮を用意したら、あとは干しエビ、干し椎茸、たけのこといった基本的な材料をもち米と一緒に、多めのごま油で炒めていく。

炒める際にオイスターソースや醤油などで味付けをした中華スープを入れて、ある程度もち米や具材に味をつけるのだが、水分を入れすぎないのがポイント。

中華街で購入した竹の葉。今はネットでも気軽に購入できる。包む前に一度水にくぐらせて柔らかくしておくのがポイント。1つのチマキに2枚の葉を使う

もち米がまだ硬い状態で竹の葉に包み、そこに角煮と塩漬け卵黄を詰めてからタコ糸で巻き上げる。

あふれない程度に、ぎっしりと具材を詰めてギュッときつく縛れば、茹でたり蒸したりしても崩れることはない。スカスカの状態だと崩れやすくなるので、米や具材は多めに。

チマキ作りで一番難しいのは包み方。最初は慣れなくてもだんだんと上手にできるようになり、きちんと三角にできると喜びもひとしお

この状態で20分ほど蒸せば食べられる。冷凍する場合は、蒸して冷めた後に。

チマキを旧暦の端午の節句に食べる由来は諸説あるが、もち米を食べて力をつけ、本格的な夏の暑さに備えるというのも理由の1つだ。

台湾に暮らし始めたばかりの頃、台湾の食事に慣れず、あまり食が進まない時期があったのだが、そんな中でチマキだけは私の大好物だった。

中でも台北市内に何店か店舗を持つ『王記府城肉粽』の大きくて濃厚なチマキがお気に入り。この店のチマキを初めて食べた時に、もち米の中の卵黄の旨さに衝撃を受けた。

手前が歯ごたえの残る蒸しチマキ、奥がしっとりモチモチの茹でチマキ。甲乙つけがたい『潘姨肉粽』の肉チマキ

台湾のチマキは南部と北部で作り方が異なる。日本人に馴染みがあるのは北部の「蒸し」チマキ。

南部はまるごと大鍋で茹でる「茹で」チマキが主流。歯ごたえが残る蒸しチマキに比べ、南部の茹でチマキは米と米がくっついてモチモチしている。

これがたまらないというファンも多い。

今年の旧暦の端午の節句は6月14日。なかなか外出がままならない時期でもあるので、本格的なチマキ作りにチャレンジするのもいいかもしれない。

 

 

みつせ のりこ:90年代から台湾と関わり、台北で留学や就職、結婚や子育ても経験。現在は執筆や通訳、取材コーディネートの仕事で日本と台湾を往復している。著書に『台湾の人情食堂 こだわりグルメ旅』『美味しい台湾 食べ歩きの達人』『台湾縦断! 人情食堂と美景の旅』『台湾一周!!途中下車、美味しい旅』など。株式会社キーワード所属。