峯田初出演の舞台『母に欲す』では、ぶつかることもあった
ーーその『裏切りの街』の後、いよいよ『母に欲す』(2014年)で峯田さんは三浦作品の舞台初出演を果たします。
三浦 このときは結構いろいろあって。まぁ平たく言うと、峯田くんとも結構ぶつかりましたし。今思えば、複数の人間が何かを真剣に取り組むことになったら、当然起こりうることだとも思うので、ある意味健全なことだったかもしれないですけどね。
峯田 僕はバンドをやってるじゃないですか。でも、1曲作るごとに、メンバーといちいち衝突するんですよ。例えばギタリストは、「こうやって弾きたい」みたいなイメージがある。
でも、曲を作った僕は「いや、その弾き方、要らないんだよな」と思うこともある。そういうぶつかりあいは避けて通れないものです。
でも、一番の正解を知っているのは、その曲を作った人であり、演劇の場合は三浦さんなんですよね。
三浦さんの「正解」に近づけるために、役者たちは「こうしたらもっと良くなるかな」と色々やるんだけど、ただどうしてもズレが生じることはある。そういうときに衝突が起きるのはしょうがないし、そのことで、「なるほど。こういうことか」と納得できるのなら前進ですよね。
だから、「表現をする」という上では健全なことだと思うし、当然のことだと思いました。
ーー聞けば、銀杏BOYZが9年間アルバムを出せなかった時期にも、三浦さんと峯田さんはよく会っていたそうですね。
三浦 はい。なんか峯田くんと会うと、すごいテンションが上がるんですよ(笑)。最初の会話は「あのときのライブの○曲目、あれはなんであんなことになったの?」みたいな、ファンの感じの好奇心の話から始まるんですけど、そのうち、だんだん真面目な話になる。
自分の中には色々なところがあるじゃないですか。軽薄な自分、真面目な自分とか。それが峯田くんと接していると、自分の「真面目なところ」を発散できるような感じがあるんですよ。真面目なことを話せる人はなかなかいないんですけど、峯田くんは数少ない「真面目な友達」のひとりですね。
峯田 それは僕にとってもそうですよ。うちのマネージャーの江口くんとかに、真面目な話なんかいっさいできないですから(笑)。真面目な話をしたところで、まぁ伝わらないだろうからって諦めちゃう。
でも、三浦さんと話をしていると、僕自身が考えていたことが明確になったり、三浦さんの考えに影響を受けたりすることが多くて。本当に刺激になるんです。
三浦 他人から見たら気持ち悪いかもしれないけど、何を言っても共有できちゃうから、もしかしたら、そのことに僕も峯田くんも「気持ち良がっている」ところはあるかもしれないですね(笑)。
スタイリスト:入山 浩章(峯田和伸)トップス¥12,000(税抜)/WEYEP©︎SONIC YOUTH、パンツ¥38,000(税抜)/Sasquatchfabrix.
問い合わせ先
WEYEP/050-3393-1939
ドワグラフ.(dwagraph.)
【公演情報】
作・演出:三浦大輔
出演:岡田将生/峯田和伸/柄本時生/内田理央/宮崎吐夢ほか
東京公演
会場:Bunkamuraシアターコクーン
公演日程: 7月11日(日)~8月3日(火)
京都公演
会場:京都劇場
公演日程:8月7日(土)~8月11日(水)
★東京公演分のチケット一般発売中!