--さて、今日は役柄にスポットをあててお聞きしますが。お稽古が始まったばかりの頃、

「(リリーは)無言でいることが多いから、恥ずかしいと思っちゃうのかもしれない…。身体の動きとか、居方(いかた)とか在り方で、リリーを表現しなきゃいけないから、スキを見せられない難しさがあるというか」(第42回)

フォトギャラリー【本文未掲載分もあります】「ミラチャイ☆」連載 第42回

--と話していて。恥ずかしさをカバーするために、マスクが役立っている事も話してくれましたが、恥ずかしさをどう克服して、本番を迎えていったのでしょうか?

いまだに、「マスク、本当にありがとう!!」って、思っているところがあります(笑)

本番ではもちろんマスクを外した状態で舞台に立っていますが、リリーが最初に登場するシーンって、全くの「無音」なんです。それが結構、長い間、無音の状態で…。

最初、リリーがひとりでステージに出て来て、ひとり芝居のような事をするんです。その間は、ずっと無音なんですが、もうね…、その無音の中に、ひとりでいるのが耐えられなくて!(汗)

無音の中、リリーが仲間たちを呼び込んで、仲間がどんどんステージに出てきてくれる…、という演出になっているんですが…。

もう、「早く、早くッ!」って、皆を呼び込みたくなっちゃうくらいに無音で、舞台上にひとりだから、お客さまの視線を意識すると、自分の目のやり場にも困ってしまって。初日、いや2日目くらいまで、

「え、えぇ…。こ、怖い。こんな無音の中で、ひとりで立っていて、大丈夫ですか!?」

って、思っていたんです。でも、昨日くらいから、どうにかやっと慣れてきて。今では、少しずつですが、“あの無音の状況を楽しんでやろう”って、思えるようになってきました。

--ところで、リリーを演じるのは3度目ですが、同じ人物を、期間を置いて3度演じる経験って、これまでになかった事だと思うんです。とっても貴重な経験だと思うのですが、それについては改めてどう思いますか?

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