戸惑いますね、やっぱり。リリーは難しいです。本当に難しい!

「この子って、どういう子なの?」っていう、バックボーンが書かれていなさ過ぎるというか。お話の中にいきなり出てくるし、「こういう子なのかな?」って、あくまでも想像するしかないから。

それは過去2回でも同じで、だからリリーは今まで演じた役の中でも、一番手こずる役というか、自分の中で、「難しい役」っていうイメージになっていて。

だけど、リリーがどういう存在で、ネバーランドにいるのかは、自分なりに考えて、いままでの「階段」を登って来ているから、そのうえでちゃんと3回目を経験できていると感じてます。

“リリーはこういう思いで、ここに立っている”って、演出家さんへアピールできたのも、2度の経験があったからで。

今回お稽古に入る前に、「演出家の森新太郎さんは、お芝居に熱い方で、ひとつの台詞だけでも『違う! 違う!!』って、千本ノックのように稽古する事もある」って聞いていて。稽古が始まる前は、すごくドキドキしていたんです。

でも今回、千本ノックを経験しないで本番に至ったのは、たぶん『きみはいい人、チャーリー・ブラウン』で、ルーシーをやっていたからだと思うんです。(第39回)

フォトギャラリー【本文未掲載分もあります】「ミラチャイ☆」連載 第39回

あの時に“子どもってこういう感じかな”って、自分の中でつかめていたのが、今回は大きな強みになって。ピーターパンと並んで踊っているシーンでも、笑顔で、ありのままでいられてます。

--ルーシー、リリーと、子どもの役が続きましたが、子ども特有の「無邪気さ」という点では、佐江ちゃんの中に、元々ある要素なのかなとも思いますがどうですか?

うーん、どうだろう。。

「陰」か「陽」かで言ったら、「陽キャ」だと思われると思います。私自身、自分は「陰キャ」だと思ってるんですが(笑)。でも、陽気な部分の方が、表に出ているんだと思います。

--大人になると「無邪気さ」を持ち続けるのは、やっぱり難しいところがあるなと思うんです。

うん、うん、そうですよね。大人になると「無邪気」な部分を、勝手に封印してしまいますよね。

--そうですね。だからこそ『ピーターパン』のような作品を見て、封印してしまった感情を、時には開放させてあげるのもよいのかもしれませんね。

あらッ! うまくまとめていただいて(笑)。ありがとうございます!

--(笑)。こちらこそ、今回もたくさんのお話ありがとうございました。大千穐楽まであともう少しですね。また、次回のお話も楽しみにしています。

はい、ありがとうございました!

次回の更新は、2021/9/10(金)予定です。

撮影:山田大輔 ヘア&メイク:杉村理恵子

1990年8月13日生まれ。東京都出身。O型。AKB48のメンバーとして活躍。2016年4月1日に旧チームK特別記念公演でグループを卒業。『王家の紋章』、ブロードウェイミュージカル『ピーターパン』、『TOKYO TRIBE』、ユーミン×帝劇vol.3『朝陽の中で微笑んで』、地球ゴージャス プロデュース公演 Vol.15『ZEROTOPIA』、『ブロードウェイ・ミュージカル「ウエスト・サイド・ストーリー」Season2』などに出演。連載から生まれた書籍「これさえあれば。」が発売中。Official

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