これまでとは180度以上違うキャラクターとして生きているので、以前と比べられるかといったら、比べられるものではなくて。でも、過去2回の経験が、全く生かされていないかと言ったらそうではないんです。(第26回)(第2回)

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稽古場では、1から10まで演出家さんが演出を付けてくださるわけではなくて。こちらから演じてみたお芝居が違えば、「こういうふうにして」って、演出家さんに言ってもらえるし、合っていれば、そのお芝居がそのまま生かされるんです。

今回はありがたいことに、演出家さんからはそんなに細かく「こうしてほしい」と言われなかったんです。

台詞の言い方やイントネーション、「ここで、こういうポーズをしてほしい」とは演出されたんですが、「リリーとしての居方(いかた)」については、あまり言われませんでした。

たぶんそれは、過去2回の方向性と変わっていない部分があって、“このシーンでは、こういうふうにいよう”って、私が提供できたお芝居が成り立っていたから、演出家さんは直さないでいてくれたんだと思っています。

やっぱり同じ役として、回を重ねれば重ねるほど、これまで培ってきたものが生かされるのを肌で感じました。もし、今年初めてリリーとしてこの作品に飛び込んでいたら、“どういうふうに居ればいいんだろう”って、きっとドギマギしていたと思うんです。

--やはり1回目だと、戸惑うものですか?

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