一番食べてほしい、絶品「豚ステーキ」!

待つこと10分。日笠さんは料理が置かれたトレーをテーブルに運んできた。

ふたを取り、豚ステーキにソースをかけた瞬間、おいしそうな香りと一緒に水蒸気がたちのぼった。

豚ステーキに、目の前でソースをかけてくれる

ソテーしたタマネギの上に、食べやすい大きさにカットした豚ステーキが盛られている。

「タマネギソースやわさびおろし、トマト味噌を付けてお召し上がりください」

小鉢のタマネギソースと、わさびおろしとトマト味噌が付く/豚ステーキ定食

これが豚肉かと思いたくなるぐらい豚肉はふっくら。噛めば噛むほど味わい深く、ジューシーな食感も愉しめる。

ふっくらと焼き上がった豚ステーキ

「カツ丼やハンバーグ、うどんも提供していますが、一番食べていただきたいのが、この豚ステーキです」

豚肉なのにジューシーで、柔らかさも味わってもらいたい。そう思い、ぎりぎりの火入れで提供できる豚肉を選んだ。

先のカツ丼やハンバーグにも同じ豚肉を使っているそうだ。

両面をソテー後、蒸し上げることで、柔らかく仕上げるように心がけているという。

「火こそきちんと通していますが、焼きすぎないように調理しています」

すでにソースがかかっているので、そのままでも十分うまい。わさびおろしをつけるとさっぱりとした風味が口のなかに広がる。

あるいは、わさびおろしをタマネギソースに混ぜると、より複雑な風味を愉しめる。

豚ステーキにはわさびおろしがぴったり

白味噌を混ぜたトマトペーストをつけると、トマトの酸味と一緒に豚肉ステーキを味わえる。

個人的には豚肉ステーキをそのまま食べ、時々箸休め的な感覚で、わさびおろしをそえる食べ方が気に入った。

ソテーしたタマネギの上に豚ステーキと揚げナスとブロッコリーが盛られていた

完食後ひとつ思ったことがある。残ったソースをご飯にかけたらどうなるか。豚肉の旨味をふくんだソースを混ぜたらさぞやご飯がおいしくなる違いない。スプーンを所望すれば、贅沢な締めご飯も味わえそうだ。

4月のオープン当初は豚ステーキを頼む人が圧倒的に多かった。最近はカツ丼が人気だそうだ。

「女性のひとり客も多く、その大半がカツ丼を注文されます」

あなたはカツ丼派? それとも豚ステーキ派? まずは食べてみないとね。

駅ビル「アコルデ代々木上原」に入っているので雨に濡れずに足を運べる

【ニュー食堂FUKUYA】
住所/東京都渋谷区西原3-8-5アコルデ代々木上原 2F
電話/03-6407-8755
営業時間/11時〜23時(ランチタイムは15時まで)※緊急事態宣言中は20時までの営業
無休
豚ステーキ定食は300g(1600円)もある。豚ステーキの単品は200g1000円、300g1400円。
※価格はすべて税込

東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。