幸せな映画館の思い出は一生もの、得た経験は宝ものに
──お2人は初めて映画館で見た作品を、覚えていらっしゃいますか?
松本 私は正直あまり記憶がないんですけど、幼稚園の時に『とっとこハム太郎』を見たのが最初かな?
小関 似合う、イメージできる(笑)。世代も同じだし。
松本 多分、入り口はそんな感じです。あと小関くんが「新聞の販売所から映画の招待券をもらった」と言っていたんですが、私も小さいとき映画招待券をもらって、親と見に行った記憶があります。
小関 舞台挨拶で、クーポンのような映画の無料招待券を新聞販売所からもらったというのを、話したんです。僕はそれで幼稚園のときに『ハリーポッター』を見ました。割と鮮明な記憶で、それが多分初めて映画館で見た映画です。
──初めて行った映画館自体は覚えていますか?
松本 本当に正直言うと、映画館はぜんぜん覚えていないんです。ただパンフレット買ってもらって嬉しかった、帰り道は映画の余韻を感じていたなどの、楽しかった記憶はあります。映画を見るって、ちょっとワクワクする特別な出来事でした。
──映画を見たあとの、感情が揺さぶられたあとの満足感。わかります。
小関 エンディングロールが終わった後に、なんかスンッて終わるじゃないですか。そのスンッの後にパッと暖色の明かりがつくと、大体みんな無言で立ちますよね? 僕、あの瞬間が何とも言えず好きなんです。
──まさに後味が残った瞬間と言いますか。
小関 あの空間では、誰も感想を話さないですよね。「面白かったね」とか言わなくて、出口そばでポップコーンの空き箱なんかを捨てた後に、「感動したね」「面白かったね、次どうする?」とか言うんですけど……あのスンッ、からのみんなでコトコトコトコトって席を立つ瞬間が、映画館らしいな~って。
松本 息だけ漏れる感じ?
小関 そうそう。「はぁ~」ってみんなするでしょ、やっぱり気を張ってたんだなあと思うし、面白いなとも思う。
──確かにあそこまでが映画を見る醍醐味かもしれない。
小関 映画、映画館に限らないんですけど、作品を見終わった後って1つ人生経験が増えて、見る前より一歩踏み出せるってことがある気がします。人生観すら変わる可能性があるし。みんなで一斉に経験が1つ増えたっていう瞬間が魅力的に見えるし、面白いです。