腐女子=組み合わせフェチ?
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腐女子は誰しも、お気に入りのカップリング(受け攻めの組み合わせ)があります。わんこ攻め×ツンデレ受けや、俺様攻め×やんちゃ受け、ヘタレ攻め×誘い受け……などなど、それはまるで「おにぎりには日本茶!」というように、それぞれが最高の心地よさを感じるカップリングがあるのです。最高のカップリングと出会うために、努力を惜しまない腐女子は組み合わせフェチとも言えるのかもしれません。
その探究心は尽きることなく、人間以外の生物や無機物にまで及ぶことも珍しくありません。ごく日常的な時間を過ごしていても、ペットの猫たち(もちろん雄)や携帯電話と充電器、鉛筆と消しゴムなど、腐女子はさまざまなカップリングを妄想しています。2008年には擬人化ブームが到来。蜘蛛×蝶々、人間×ゴキブリなど、虫たちの恋を描いた『恋愛虫毒』(御影椿/リブレ出版)や、徳川家康×大阪城、勝海舟×江戸城など、日本の名城を擬人化して、城攻めをBLで読み解く『お城でBL』(一迅社)など、さまざまな擬人化BLが登場しています。
まずはあなたの身のまわりにあるもので、カップリングになりそうなものを探してみては? 「おもしろいな」と思える組み合わせを見つけたら、そのカップリングのBL作品がないかチェックしてみてください。きっと、あなた好みのカップリングに出会えるはずですよ。
BLは究極のラブストーリー!
中村 明日美子(著)
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「組み合わせフェチなんだったら、わざわざ男同士じゃなくてもいいじゃないか!」という声も聞こえてきそうですが、やはり「男同士でなければいけない」ワケもちゃんとあるのです。
恋は障害が大きければ大きいほど萌え(燃え)るもの。『ロミオとジュリエット』では家同士の確執がふたりを隔てているし、『タイタニック』では身分差が短く儚い恋を燃え上がらせるスパイスになっています。そして、BLでは「男性同士であること」が越え難い壁として存在するのです。
たとえば、マリリン・モンローに憧れた美少年・Jの生涯を描いた、2003年の『Jの総て』(中村明日美子/太田出版)では、Jは高等中学校の上級生・ポールに恋愛感情を抱くものの、男性同士であることを悩み、葛藤し続けます。Jがどのように「男同士であること」の壁を乗り越えるのか――エンディングは感動で涙してしまうこと間違いなしです。
このほかにも、因縁で結ばれたふたりのサラリーマンの恋を描いた、1999年の『猫かぶりの君』(あさぎり夕/集英社)や、男性同士×身分違いの恋という二重の生涯に隔てられているカップルを描く、現在で『Chara Selection』で連載中の『憂鬱な朝』(日高ショーコ/徳間書店)など、男性同士だからこその上質なラブストーリーを堪能できる作品はたくさんあります。普通の恋愛物語にあきてしまった人は、BLにチャレンジしてみてはいかがでしょうか。