常連の岸本功喜作品に「あったかくならんわけがない!」

横山だいすけ 撮影/石阪大輔

──胸を打つ「犬への賛辞」は本作ラストに登場します。最初はセリフで始まり、次第にミュージカルナンバーに発展して。横山ジョージの見どころな予感ですね!

脚本・演出の岸本功喜さんからジョージの役どころをご説明いただいた時にも「作品のキーパーソンだから」と念押しされました(笑)。

『世界迷作劇場』シリーズや『おばけのアッチ リーディングミュージカル』など、横山だいすけの出演作に数多く関わっている岸本さんが大切にしているメッセージを、ジョージの成長を通じて皆さんにお伝えしたいです。

──岸本さんの作品から、これまでどんな魅力を受け取ってきましたか?

岸本さんの書かれる脚本って、とにかくハートフルであたたかい。「周りにいる人たちのおかげで、ここに居続けることができるんだな」と、人と関わって生きる喜びをいつも感じさせてくれます。爽快感があって前向きになれるし、明日へのエネルギーにできる作品ばかりなんですよ。

──今回の『犬との約束』はどんな作品になりそうですか?

ダニエルと愛犬が育んだ友情を、周りがサポートしていく。その過程を、作曲を手がける音楽監督の小島良太さんによるミュージカルナンバーが彩る。これはもう「あったかくならんわけがない!」と思います。

ペットを愛する方も飼っていらっしゃらない方も、この作品を通じて周りとの“絆”を感じていただけるんじゃないかな。

──ソーシャルディスタンスに代表されるように、コロナ禍では物理的な距離だけでなく「心の距離」も遠ざかっているように感じます。そんな時代に『犬との約束』を上演することの意義を、横山さんはどのように受け止めていらっしゃいますか?

新型コロナウイルス感染症は2年近く人々をひき剥がしていますよね。でもどれだけソーシャルディスタンスを保ったとしても、心の距離だけは離れてはいけない。

幸せって人それぞれ理想とする形は違うけれど、周りの人たちと気持ちを通わせて繋がり合える喜びみたいなものは、どんな人の中にも共通してあると思うんです。だから生きていける。

──「外出しないで」「おしゃべりは控えて」と禁止されたら、これまで当たり前だった日常生活やコミュニケーションが尊いものになりました。

活力になっていたことに気づくんですよね。でも一方では余裕がなく大変な非常事態ほど、本質に気づけないこともあります。そんな時に、心の交流を描いた『犬との約束』をご覧いただけたら。1869年のアメリカに実在したエピソードが、お客さまの心にあたたかい火を灯す“たいまつ”になってくれるような気がします。

開催情報

ミュージカル『犬との約束』

■日程・会場
・東京公演
4月15日(金)~24日(日)よみうり大手町ホール
・大阪公演
4月29日(金・祝)〜5月4日(水・祝)松下IMPホール

■出演
織山尚大(少年忍者/ジャニーズ Jr.)
横山だいすけ、三倉佳奈、青木さやか、玉置成実
園岡新太郎、神田恭兵
桑原麻希、深堀景介、毬乃ゆい、森山晶之、吉田萌美
岡幸二郎