イチゴが盛られたフレンチトースト。晩春以降はフルーツが変更になる

続いてフレンチトーストが運ばれてきた。スライスしたイチゴがきれいにならべられ、食べるのがもったいないぐらい美しい。それにしてもこれほど褐色のフレンチトーストははじめてかも。

「キャラメルソースをかけてあります。キャラメリゼにすることで、甘苦いフレンチトーストに仕上げました」
この料理には、メイプルシロップとホイップクリームが添えられている。おすすめの食べ方があるのだろうか。木田シェフ、教えてください。

「そのまま食べた後、メイプルシロップを全体にかけてください」

なにもつけず食べてみた。キャラメリーゼしてあるので一瞬苦味を感じるが、噛んだ瞬間キャラメルソースのカリカリ感と、甘くて、しっとりと焼けたパンが口のなかで渾然となった。
 

そのまま味わった後、メイプルシロップをかけてみよう

ところが、メイプルシロップをかけた途端、味変した。キャラメルソースの苦味が消え、より甘みが強調された。

「最後にホイップクリームをのせてください。生クリームに含まれる油分がフレンチトーストとイチゴをつないでくれることで、一体感のある味わいを愉しめると思います」
 

最後はホイップクリームで味変させる。フレンチトーストが三度愉しめる

ホイップクリームのふわふわとした食感となめらかな味わいで、フレンチトーストがもう一度味変した。

キャラメリーゼしたフレンチトースト。メイプルシロップをかけたフレンチトースト。ホイップクリームをのせたフレンチトースト。フレンチトーストが二度も味変するとは思わなかった。

箸休めのサラダがついたクロックムッシュか、二度味変するフレンチトーストか。あるいはWで頼むか。

どちらもめちゃくちゃうまいが、Wを食べるとそこそこ満腹感がある。取材後、嬉しいことに、にんじんのポタージュがおかわりできるようになった。木田シェフの自信作なのでぜひおかわりしてこよう。

最後にもうひとつ。
 

このタオルのおしぼりも『Hotel's』自慢の逸品。肌に気持ちがいいのだ

『Hotel's』がおしぼりに使っているタオルがこれまた素晴らしい。席に着くと綿100%で厚手のタオルが運ばれてくる。温かいタオルを肌でふいてからゆっくりと朝食を味わいたい。

Hotel's

住所/東京都港区北青山 3-4-3 ののあおやま 2F
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東京五輪開催前の3歳の時、亀戸天神の側にあった田久保精肉店のコロッケと出会い、食に目覚める。以来コロッケの買い食いに明け暮れる人生を謳歌。主な著書に『平翠軒のうまいもの帳』、『自家菜園のあるレストラン』、『一流シェフの味を10分で作る! 男の料理』などの他、『笠原将弘のおやつまみ』の企画・構成を担当。