『Hotel's』と『sio』のシェフでもある木田翼さん

2021年10月、北青山にオープンした『Hotel's』。

名前こそホテルだが、ホテルではない。どこかのホテルにありそうなレストランをイメージした新感覚のレストランだ。

ホテルのレストランが朝食、ランチ、ディナーを供するように、『Hotel's』でもそれぞれの時間帯に異なるメニューを用意している。

オーナーシェフはミシュランシェフとして知られる、代々木上原のレストラン『sio』のオーナーシェフの鳥羽周作さん。

フォトギャラリーめちゃウマ!『Hotel's』のフレンチトースト&クロックムッシュを写真でさらに見る
  • クロックムッシュかフレンチトーストが選べるセットと、Wのセットもある
  • フレンチトーストもクロックムッシュもここまで焼いたら、仕上げは厨房で
  • 最後はホイップクリームで味変させる。フレンチトーストが三度愉しめる
  • 広くて清潔感のある『Hotel's』の入口
  • おかわり自由になったにんじんのポタージュ

以前、『Hotel's』でハンバーガーランチを食べたことがあるが、朝食は未体験。この冬、朝食メニューが一新され、フレンチトーストを提供していると聞きつけ、出かけることにした。

カウンター席とテーブル席の用意もある

朝9時半到着。カウンター席に案内された。新メニューは「Hotel's French toast Set」(1500円/すべて税込)。フレンチトーストにはイチゴがのったものと、クロックムッシュの2種類ある。

クロックムッシュかフレンチトーストが選べるセットと、Wのセットもある

どちらかを選べるが、せっかくなのでWで愉しめる「Hotel's W French toast Set」(2000円)を頼んだ。

カウンター席の目の前にある鉄板で料理人がフレンチトーストを焼きはじめた。『Hotel's』と『sio』のシェフでもある木田翼さんによれば、厚めに切った食パンを卵液に一晩ひたものを焼くのだそうだ。

何度かひっくり返しながら丁寧にパンを焼いていく
フレンチトーストもクロックムッシュもここまで焼いたら、仕上げは厨房で

「パンが焼けたら、あとは厨房でフレンチトーストとクロックムッシュに調理します」

おかわり自由になったにんじんのポタージュ

セットにはにんじんのポタージュがついてくる。にんじんを30〜40分炒めて作った濃厚なポタージュだ。

スープを飲み終えた頃、クロックムッシュが届いた(本来ひと皿に二品盛られているが、撮影のため別々に出してもらった)。

「クロックムッシュはふつうのパンで作りますが、うちではフレンチトースト同様、卵液にひたしたパンで作るため少し甘いのが特徴です」
 

箸休めのサラダがついたクロックムッシュ

パンの上にチェダーチーズ、ハムをのせ、仕上げにパルミジャーノ・レッジャーノ・チーズをかける。

「チェダーチーズとハムの間にマヨネーズがかかっています。フレンチトーストの甘みとチーズの塩味をマヨネーズがとりもつことで、日本人好みの甘じょっぱい味わいに仕上げてあります」

『Hotel's』のクロックムッシュにはもうひとつ特徴がある。サラダが添えられているのだ。トレビスやアンディーブなどの野菜にグレープフルーツを加えたサラダを、料理人がオープンキッチンでその日用意したものを提供している。

クロックムッシュになぜサラダを添えるのか。木田シェフに尋ねた。

「箸休めですね(笑)。酸味と苦味があるサラダを口直しに食べると、クロックムッシュをよりおいしく召し上がっていただけると思います」

クロックムッシュをひと口食べてからサラダをつまんだ。サラダの爽やかな酸味と苦味で口のなかがリセットされ、クロックムッシュがよりおいしく感じられた。