小さなことからでもいいので、夢を叶えていってほしい

――このアルバムは佐咲さん自身の歩いてきた道でもあるのですね。

佐咲「そうですね。私はアニソングランプリに応募した時点で26歳(決勝大会時は27歳)だったんですけど、地区大会とか見ていたらみんな10代なんですね。その時点でこれは……と(笑)。でも自分なりに納得いく姿を見せられたら、誰かには届くかもしれないし、響くかもしれない。そういうことを考えていましたね。

『Starting Again』で<叶わない夢なんか無いと証明しよう>っていう歌詞を書いたんですが、もちろん、叶わないことはありますよ。世界征服とか13オクターブの声域が欲しいっていってもそれは無理です(笑)。でもそうじゃなくて、自分の努力でどうにかなることもいっぱいあるし、それはたとえばいつもは買えなかった限定のパンが買えた!とかそういう小さなことからでもいいので、叶えていってほしいなと思いますね」

――そんな強いメッセージを込めた『Daybreaker』を引っさげて、ライブツアー『佐咲紗花 LIVE TOUR 2013 Link to You -Daybreaker-』が7月よりスタートします。

佐咲「ツアーってナマモノで、そこが面白いんですよ。こちらの気持ちとしては同じつもりでも、その場の熱気とかパワーをどれだけぶつけてくれるかで、毎回違うものになるんです。それは単発のワンマンでは感じられないものですね」
 

――今回は第2の故郷である郡山に凱旋されるとのことですが。

佐咲「ツアーの詳細を発表したときにその"第二の故郷"の部分がうまく伝わってなくて、東京・大阪ときて、郡山なの!? という反応が大きかったな(笑)。郡山は小学校の中学年まで住んでいた土地で、すごく思い入れがあるんです。わりと大きな都市なんですけど、せかせかしてなくて落ち着いているんですよね。

震災のあとに2回ほどチャリティーで行かせていただいたんですが、そのときに握手会で『郡山にしっかり歌いにきてほしいです』という声をいただいて、私も縁がある土地なのでぜひ行きたかったんです。東京からはアクセスもいいので、郡山の良さを知ってもらえたらいいなと思いますね」