もしも自分の部屋に“こびと”が住んでいたら…?

「こびとの押し入れ」(2020年) 撮影/内田涼

もしも、自分の部屋に“こびと”が住んでいたら。そんな空想を具現化したのが、Mozuの代表作ともいえる「こびとシリーズ」だ。

シリーズ第1号となった「こびとの階段」をはじめ、駅、床の間、非常階段、押し入れ、ベランダ、用水路など、本当にここにこびとたちが暮らしているような生活感あふれる仕上がりに目を奪われるはず。

「こびとの秘密基地」(2019年) 撮影/内田涼

特に思い入れが強いという「こびとの秘密基地」(2019年)は、コンセントカバーを開くと、狭い空間に作業机やテレビ、エアコンなどが詰め込まれ、無線LANのルーターもチカチカと点滅。

電子レンジの中にはラップした料理まで入っている凝りようで、完成するまでに費やされた時間は約4カ月。「ルーターが点滅しているところを再現したい」という思いから制作が始まったという、小さな超大作だ。

「こびとの駅」(2020年) 撮影/内田涼

会場の照明が暗めになっているのも、Mozuの強いこだわり。「作品の中ではライティングが重要になっているので、会場を少し暗めにしていただき、スポットライトで作品が目立つように調整した」。

また、子どもも鑑賞しやすいよう、ミニチュアのそばには足場も設置された。子どもの頃から物づくりが大好きだったというMozuの優しい心遣いだ。

「こびとのベランダ」(2021年) 撮影/内田涼

今回の展覧会では、紹介した造形物に加えて、オリジナルキャラクター「マルとパッチ」が登場するコマ撮りアニメの上映や、「クレヨンしんちゃん」の新オープニングで使用された、野原家を忠実に再現したミニチュア模型の展示も。こちらは写真撮影ができなくなっているので、ぜひその目でじっくりを鑑賞してほしい。

なお同展は、東京での開催の後、8月11日(木・祝)より8月29日(月)まで横浜髙島屋ギャラリー 8階へ巡回。その後、熊本、高知など全国巡回を予定している。

開催情報

『Mozu アートワーク -ちいさなひみつのせかい-』
7月22日(金)〜8月9日(火)、大丸東京店11階催事場にて開催