車の中で一人でボロボロ涙を流して泣いていることもありました

©2022「月の満ち欠け」製作委員会

――三角はこれまで目黒さんが演じてきた役柄の中でも、より観てもらう人に共感をしてもらう必要があるキャラクターなのではと思いました。

僕も三角に共感してほしいと思って演じていました。この映画を観てくださった人たちが、家族であったり、大切だと思っている人に対して、少しでも悔いのないように接したいと思ってもらえるように。

そういう風に思うだけでも接し方が変わってくると思うんです。そんな風に改めて思ってほしいし、そういう想いを届けたいと思っていました。

――振り返って、ここが山場だったと思うようなシーンはありますか。

瑠璃さんを失った後、三角が一人で瑠璃さんと一緒にビールを飲んだ場所や、映画を観た早稲田松竹とか、思い出の場所を訪れるところです。

突然訪れた別れで、自分の大切な人がいなくなってしまったら、そのいなくなった世界の方が信じられないし、どこかにいるんじゃないかって思ってしまう感覚――そういう気持ちを持ちながら演じていたシーンは疲れました(苦笑)。単純に心が疲れたというか。

撮影を終えて家に帰ってからも「はー」って、ため息が出るような、気持ちや心をすごく使った感じでした。泣きながら現場に行くことも結構あって。あの一連の撮影のカロリーは高かったです。

©2022「月の満ち欠け」製作委員会

――撮影中はプライベートでも役柄の気持ちが抜けないのですか。

本番の寸前まで明るくいて、本番に入ったら切り替えてできるというのがベストだとは思うんですけど、自分はそれができなくて。器用じゃないんです。一つのことしかできないんです(苦笑)。

前日の夜から「明日はこのシーンとこのシーンの撮影があって、気持ちはこうで、それで、前のシーンではこうだったから、今はこういう気持ちで」とか、全部、気持ちの整理をするんです。

そうするとそこからはもうそのモードというか、朝起きてもそのことばかりずっと考えているし、現場に行くまでの間もずっと考えていたら、車の中で一人でボロボロ涙を流して泣いていることもありました。

現場に着いてメイクをしている間もずっとその気持ちで、いつも一人でポツンと気持ちの整理をしていましたね。だからもう家に帰ると「心を使ったな」って感じでした(苦笑)。

――完成作を観た時はどうでしたか。

自分が出演してないシーンは観れていないので、そういうところはホントにボロボロ泣きました。特に最後の方は。いろんな人たちにいろんな場面で突然の別れがやってくるので、やっぱりそういうところは泣きましたね。

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――Snow Manのメンバーも観ましたか。

ラウールと一緒に試写を観たんですけど、号泣していました。そのラウールにもらい泣きしちゃって二人で号泣して。スタッフさんにティッシュを持ってきてもらいました(笑)。席からすぐには立ち上がれないくらい泣きました。

観てる間も隣からラウールの泣き声が聞こえてきて。自分が一生懸命頑張ったものを、そんなふうに観てくれたのはすごく嬉しかったです。

――ちなみに、他のメンバーの個人活動はチェックしていますか。

阿部(亮平)ちゃんがドラマ(『NICE FLIGHT!』テレビ朝日)に出ていた時は、それが毎週の楽しみの一つになっていました。

観る度に「今回はこうだったね」とかって連絡をすると、「そうなんだよ~」みたいに話が広がって、そこからちょっとだけお芝居の話になることもありました。

(メンバーが出演しているものは)チェックして感想を伝えるようにしています。やっぱり頑張っている人を見ると刺激をもらえますよね。(メンバーの姿を見て)自分も頑張らないとなって思います。