その気になるストーリーだが、今回は2本立てという構成になっている。第一部は片倉小十郎と猿飛佐助という2人の忠臣を主人公にした「深淵の宴」。第二部は石田三成を主人公にした「凶王誕生」である。
どちらも原作ゲームにはないエピソードで、特に「凶王誕生」は原作の2と3の間を補完する物語となっており、原作ファンにとっても必見だ。
まずは「深淵の宴」から紹介していこう。
主役となるのは片倉小十郎と猿飛佐助。それぞれ、伊達政宗と真田幸村に仕える忠臣として描かれている。ファンの間でも人気の高いキャラクターで、これまでのストーリーでも重要な役どころとして登場してきたが、今回は満を持しての主役抜擢だ。
「戦国BASARA」はシリーズを通して伊達政宗と真田幸村が一応の主役ポジションにいるが、原作ゲームでは毎回彼ら以外の看板キャラクターが用意されている(例えば2では前田慶次、3では徳川家康と石田三成)。また、それ以外のキャラクターも主役とほぼ同等の扱いを受けており、各キャラクターに固定のファンがいる。こうした構造はかなり舞台向きといえるだろう。
「深淵の宴」では、そんな片倉小十郎と猿飛佐助の悩みや葛藤、主君への思いが改めて語られる。「戦国BASARA」としてはかなりシリアスなストーリーだが、ちゃんとお馬鹿な掛け合いも用意されているのでご安心(?)を。
個人的な見どころとしては、初登場となる三好三人衆だ。原作ゲームでは脇役として登場するキャラクターだが、その個性的な出で立ちと言動から強烈な存在感を放っていた。とはいえストーリーが用意されるほどのメインキャラクターではなかったため、まさか舞台に登場するとは思わなかった。舞台で彼らを演じるのは、これまでアンサンブルとして出演していたメンバーで、三人の息をぴったり合わせたアクションは必見である。