福原遥との関係は「同士」
――印象に残ったセリフや場面は?
詳しくは言えないのですが、ずっと完璧だった彰の人間味や弱さが見える場面があるんです。そこはそれまでとは違った彰だったからこそ印象に残りました。
――クランクアップはゆりの花が咲く丘でのシーンだったそうですが、その際の思い出は何かありますか。
役者にとっては永遠の呪いのような部分でもあるんですけど、やっぱり自分のお芝居の反省点が出てしまうんです。もちろんそのときはベストを尽くしているのですが、やっぱりあとから考えると「こっちだったかな?」ということはあります。プロとして正しいことかはわからないですけど、そういう想いを抱いたことが思い出に残っています。
――あの場所はどうでしたか。
遠かったですね(笑)。静岡なんですよ。でもあの斜面がなかったら、あんなにいいものは撮れなかったと思います。だから行って良かったです。それから、スタッフの方々の力もあってあのような素敵なシーンとなったので、その努力は忘れてはいないなと思います。
――福原さんの印象も聞かせてください。
この映画は“戦争”というものを扱っているので、敢えて言うと、リスクもあると思うんです。今回はW主演ということで、その責任を負うのは僕ら2人でもあるから、福原さんは自分が演じる百合と同じように、彰のこともすごく考えてくれていました。だからこそ僕もその姿勢に応えたいと思える、すごくいい関係性ができたと思っています。同士ですね。
――それは徐々にそういう関係になっていったのでしょうか。
わりと最初からできていたと思います。そこが僕としてはうれしかった点でもありました。同世代で作品にかける熱量が一緒の方と出会えて、本当に良かったです。
――今回が2回目の共演となりますが、前回は気付かなかった点でもありますか。
そうですね。前回は役柄的にもあまり接点がなかったので、「今日、何食べました?」ぐらいの会話しかしていなかったので(笑)。お互いに敬語でしたし、そのときと比べるとお互いに対する理解は深まったと思います。