以前、ウレぴあ総研で銀座の韓国料理店『釜めし大統領』を紹介したことがある。
料理長の高好周(コウ ホジュウ)さんが作るスンドゥブがおいしくて取材させていただいたのだ。
じつは、スンドゥブや参鶏湯などのランチについてくるキムチもおいしいのだ。
ニラやニンジンなども一緒に漬け込んだ、ピリ辛の白菜キムチがめちゃくちゃうまい。
この白菜キムチは高さんが厨房で作っているものだそうだ。
拙宅ではパック・キムチをスーパーで買ってくる。
色こそ真っ赤。けれど、高さんが作るキムチのような深みのあるコクは皆無。
いったい何がどう違うのか。高さん、教えてください。
「塩辛が入らないとおいしいキムチにはなりません。塩辛は塩っぱいけど、甘みがあります。キムチがおいしいのは塩辛が入るからなんです」
高さんが厨房から持ってきたのは、アミの塩辛と、赤と青の瓶に入った液体の塩辛。
赤はイカナゴの液状塩辛。青はカタクチイワシの液状塩辛。
ショッツルやニョクマムと呼ばれる魚醤のような香りと味。
これらを少し入れると辛いだけでなく、味に深みとコクが出るのだそうだ。
「韓国では、毎年12月に家族総出でキムチを作ります。果物やイワシの塩辛など、いろいろなものを入れるのが特徴。地方ごとに、家族の数だけレシピがあります」
本格的な白菜キムチのレシピをオモニに教えてもらった
高さんにお願いして、高さんの家で作られてきたキムチのレシピを教えてもらうことにした。
「店ではキムチを毎週1週間分作ります。今回は家庭でも作りやすいように、白菜を1株漬け込むレシピを紹介します」
白菜を「ヤンニョム」と呼ばれる調味料に漬けるのだが、その前にすべきことがあるという。
「白菜を塩水に4時間漬けてください」
【塩水の材料】
あら塩……150グラム
水……1リットル
白菜を縦に3つに切る。これを上記の塩水に漬け置きする。
4時間経ったら白菜を3度水洗う。
白菜を軽くしぼり、水気を切る。
「塩水に漬けすぎると塩っぱくなります。短いと塩分が足りません」
白菜にほのかに塩味が付き、甘みを感じる程度の塩加減に仕上げるのがポイント。
白菜の準備ができたらヤンニョムを作る。
辛いだけでなく、甘みもある、不思議な調味料だ。
でも、その前に、のりを用意しよう。
【のりの材料】
もち米の粉……大さじ2
水……200cc
もち米の粉は、もち粉やぎゅうひ粉とも呼ばれ、お菓子の材料を扱う店などで手に入る。
材料を鍋に入れ、沸かしながらもち米を練る。
のりができたらヤンニョム作りにとりかかろう。