かじる前に餡の内容を確認すべし
そしてもうひとつ。
肉まんをおいしく食べるための鉄則がある。
肉まんを持ってもすぐに食べてはいけない。

かぶりつきたい気持ちを抑え、半分に割る。
なぜなら、肉まんは大きく分けて2種類あるからだ(私見です)。
肉団子を生地で包んだ肉まんと、とろみのある餡を包んだ肉まんだ。
「この子はどっちかなあ」と思いつつ、かじる前に確認する。
茶寮の肉まんは後者だ。(ちなみに、大阪の有名な肉まんは前者)。
手で割った瞬間、セイロで蒸されてトロトロになった餡が顔を出す。
ここで、はじめて肉まんをかじる。
餡が口のなかに流れこみ、口中がトロトロであふれかえる。
ああ、幸せ。

舌と歯で受けとめたトロトロの餡を噛みしめる。
カリカリコリコリの筍。
しっかりと煮込まれ、フニャッとなった豚肉。
やや大きめにカットされたタマネギ。
これらを舌が確認するやいなや、肉まんではまず出会う機会がない、ツルンとした食感を舌がとらえた。
キクラゲであった。キクラゲが入った肉まんは極めて珍しいと思う。

肉まんにキクラゲを使うところは茶寮だけだ(たぶん)。
キクラゲ特有のツルンに加え、フニャッとした噛み心地も愉快だ。
カリコリ。シャキシャキ。ツルン。フニャッ。
いろいろな食材と遭遇した舌は大忙し。大繁盛ともいう。
肉団子を包んだ肉まんとは、ひと味もふた味も異なる食感と味わいがこたえられない。
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