中途半端な状態で別の異性からアプローチされる自分

このとき、男性とはどんな内容の話をしていたのかを聞いていくと、「彼女さんについては話題に出さないように気を付けていました」と由紀江さんは振り返ります。

男性の恋人抜きで、自分たちふたりの仲が深まるように、仕事や趣味、好きなことなどの話をしていたそうです。

ここで男性の状態を考えてみると、「上手くいっていない彼女はいるが、まだ交際中」「だけど別の女性からアプローチを受けている」のが現実です。

明らかに自分への接し方が変わった由紀江さんを見て恋心に気づかないはずがなく、つまり「これからの自分の態度がこの女性の気持ちに大きく影響する」ことは、容易に想像ができます。

酔って愚痴を吐いたことをしっかりと謝るような誠実さを考えれば、この「中途半端な状態」は、男性にとって苦しいものではなかったでしょうか。

その証拠に、「休日に会うような雰囲気になると話題を変える」「LINEはするけど電話で何時間も話すようなことはしない」と、由紀江さんと親密度を深める言動は避けていました。

あくまで仕事仲間のスタンスを保ったままで、それでも由紀江さんをきっぱりと拒否できなかったのは、男性の気持ちも揺れていたのかもしれません。